#AQM

あ、今日読んだ漫画

#ラブ・バレット 1巻 評論(ネタバレ注意)

連載デビュー作とのことです。

オビ謳い文句は『武装JKキューピッドたちによるロマンティック・ガンアクション開幕』だった。 

何を言っているの?

初恋を知らぬまま事故死した女子高生・陽菜は、神の導きによりキューピッドに転生。

霊体として人々の出会いを見守り、弾丸でハートを撃ち抜いて恋を芽生えさせる存在となった。

『ラブ・バレット』1巻より(inee/KADOKAWA)

いろいろと作品独自の「キューピッドの解釈」というかルールがありまして、

・恋を知らぬまま亡くなった子どもが霊体?キューピッドになる

・キューピッドへの転生は必ずしもリアルタイムでなく時間差を伴うこともある

・キューピッドは弓矢でなく銃器を装備している

・誰かを見つめている瞬間にキューピッドにハートを射抜かれると
 その人は見つめていた相手に恋に落ちる

・キューピッドは縁結びで徳を積むと再び人に転生が許される

・キューピッドは複数いて、「推しカプ」の意見が合わない時は銃撃戦になり、
 撃たれたキューピッドは一時的に無力化される

こう「キューピッド」といい「事故死して霊体になる」といい、

『ラブ・バレット』1巻より(inee/KADOKAWA)

冨樫義博の『てんで性悪キューピッド』と『幽☆遊☆白書』を足して2で割ったみたいに聞こえますねw

オタク界隈で「推しカプがいる空間の空気になりたい」だとか、あるいは「推しカプ論争」「リバ論争」とか言いますが、ああいうのを具現化した感じなんかな。

空気の代わりに霊体であるキューピッドになって、論争になったら銃撃戦w

『ラブ・バレット』1巻より(inee/KADOKAWA)

キューピッド同士の銃撃戦ですが、撃たれても死ぬわけではなく一時的に重度の「恋がしたい症候群」になって何の役にも立たなくなるだけ、という割りとじゃれあい感のあるもので、悲壮感も残酷感も皆無です。

キューピッドが複数わちゃわちゃしてて、ちょっと「女子高生部活もの」っぽい雰囲気もw

その割りに銃器やガン・アクションの描写が気合入っててかっこいいなw

ヒロインの陽菜が「仕事」をこなして再び人間に転生することが、目標というか作品の縦軸として設定されています。

表紙のとおり「女の子×ガン・アクション」のビジュアルが目を惹き、銃撃戦描写にも力が入っていますが、

『ラブ・バレット』1巻より(inee/KADOKAWA)

横軸は「案件(事件)解決型」というか、「仕事」の都度にいろんなカップル未満の「恋のかたち」「心のかたち」に触れていく、ヒューマンドラマが横軸になっていくのかな。

あ、あとジェンダーレスというのか、「縁結び」の対象は「男女」にこだわられず、たびたび「百合」っぽい展開が見られます。

1巻では、悲恋というほど悲壮ではないですけど、「失われた恋にさよならする」、ハッピーエンドというよりは少しビターな切ないエピソードでした。

好き。キューピッドの力をもってしても、流れていった時間は巻き戻せないんだなあ…

『ラブ・バレット』1巻より(inee/KADOKAWA)

「仕事」を通じた陽菜の感性の変化や成長が通底するテーマになろうかと思いますが、作品の縦軸・結末に対して既にある種の切ない予感がしてしまいます。

まだ少し気が早いでしょうか。

人の愛、恋愛、性愛、そして神の愛。

『ラブ・バレット』1巻より(inee/KADOKAWA)

「恋をする」とは、「人を愛する」とは、どういうことなのか。

 

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