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「あの『地球から来たエイリアン』の作者の新作」と知って、
aqm.hatenablog.jp
買って読みました。
現代日本。
正体不明の巨大生物(怪獣)「震土」の出現により、東京をはじめとする6都市が被害を受け、11万人が死亡。
日米政府の協議の末、米軍の核攻撃で「震土」の駆除(殺害)に成功したものの、震土の死骸の胎内には新たな生命が宿っていた。
政府と研究機関は、怪獣の胎児の大脳を処理し植物状態で無害化したものの、「震土」が「他の怪獣を出産済みだった」恐れを否定できなかった。
そして5年後、再び正体不明の巨大生物が、今度は世界各地で活動を再開。日本も再びの怪獣の襲来により、国土を蹂躙される事態となった。
という怪獣SFもの。
主人公は「震土ジュニア」対策で、兵器を神経接続で操縦するための肉体改造と訓練を受けた、航空自衛隊の特殊部隊・通称「接続手」隊の隊長、獅堂大和。
再び日本に現れた怪獣に、「接続手」隊は脊椎と直接ケーブル接続された戦闘機・F-15で挑むが…
自分の乏しい知識の範囲で言うと、
拾った神様を操縦して人類の敵と戦う『エヴァンゲリオン』、
怪獣と対峙する国家と軍隊が描かれた『シン・ゴジラ』、
「電脳化」「ヘカトンケイルシステム」が描かれた『攻殻機動隊』や『アップルシード』などの士郎正宗作品、
を足して3で割ったような、またそれらの作品群の更にルーツである作品群を想起させる初期設定。アレ、2/3が庵野作品だわw
雑にいうと
「討伐した怪獣、実は子どもたくさん産んでた」
「子どものうちの1匹を人類が乗っ取って、他のと戦う」
という話。
プラス、1巻はまだそんなでもないですけど、『地球から来たエイリアン』で見せた「異生態系(空想生態系)」に対する作者の空想力が、作品を非凡なものにしてくれるだろう、という大きな期待がかかります。
同じく空想生態系SFながら、「探査・研究もの」とでも言うべき前作から、「怪獣バトルもの」と言うべき今作。
「意外と流行に乗った感」というか、ずいぶん作風というかジャンルというか、が変わったな、と思いますが、短いページながらエグみの強い展開で、世界観、生命の営みと終わりの理不尽さ、読者の感性をひっぱたいて主人公に感情移入を生じさせるパンチ力、「有馬節」とでも呼ぶべき作風は相変わらず。
「怪獣バトルもの」「怪獣討伐もの」は人気ジャンルで先行作品・競合作品も多いですが、この作者らしい一味違った「怪獣もの」を期待してしまいます。
前作見る限り
「なんだったらアナタ人間より怪獣の方が好きでしょ」
という印象の作者ですし、F-15と違って怪獣との神経直接接続はいかにもアブなそうな設定で、
いかにもそれを逆手に取って奇想天外な仕掛けを用意してそうな作者だな、とw
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