「なろう系の異世界転生もの」の中で商業的にトップクラスの成功を収め人気を博している作品。
アニメ化など以外にもスピンオフ作品も多数輩出し、ちょっとした「『転スラ』という産業」に。
サラリーマン(37)が刺されて死んで異世界に転生したらスライムだったけど、付与された特殊能力で強力な魔物スキルをガンガン吸収してスライムにして最強、人型にも顕現可能に。
リムルを名乗り、多くの魔物を配下にジュラの森の盟主となり「魔国連邦」を建国。
魔王に覚醒したリムルのもと、既存の複数の魔王国家勢力、人間国家勢力、宗教勢力との武力紛争も魔国連邦が勝利、もしくは和解する形でひと段落、人間・亜人・魔王、それぞれの列強に新興国として認められ、外交チャネルをオープン。
魔国連邦の諸国に向けたお披露目と式典外交を兼ねた「開国祭」の開催。
今巻冒頭で開国祭が終わり、エピソードタイトルも「祭りの後」。
開国祭の費用の商人への支払いに際して、謎の勢力から通貨危機・取付騒ぎを仕掛けられる経済戦(?)。
ポッと出の悪役のかませ犬相手の、ベタなスカッとジャパン展開ではありますが、ベタ=王道だけあってスカッとしますw
各国の皇帝・王を招いての開国祭の「反省会」、暗躍する「東の帝国の商人」と自由組合総帥に目星をつけたリムル、「勇者のなりそこない」を巡る陰謀。
と、新章への布石が着々と打たれつつ、という感じ。
そしてまさかの、「もう出番ないんだろうな」と勝手に思ってたダンジョン運営のピンチとドタバタ展開w
近刊の開国祭、賑やかで楽しかったですが、
「メインストーリーに対するこの一連のエピソードの『どうでもよさ』は一体何なんだろう」
「野放図に『楽しそうな方に寄り道する』ことにしたんだろうか」
「スピンオフではない、『本編』がこれでいいのかな」
と思いながら読んでたんですけど、アレですね、ここ数巻は箸休めがてらの「第X章のエンディングだった」と思うと腑に落ちます。
陰謀の伏線はあれど、魔物の王となり、建国し、大戦争を経て、魔族・人間のそれぞれの国家との外交も始まり、魔国連邦が完全に軌道に乗って、「当面の敵」「当面の目標」がなくなったところで、一旦中締め、賑やかにエンディングを迎えつつ、次章への英気を養いましょう、という。
少し前までは、無双展開とはいえシリアスで緊張感のあるエピソードが続いてましたし、ここ最近は数巻がかりの「緩急の『緩』」だったとでもいうか。
よく考えたら1巻当初の主人公の夢や目標は、ほぼ達成しちゃったんですよね。
今巻のダンジョン絡みのドタバタも、メイン・ストーリーへの寄与度は低そうながら、面白かったですねw
次の章は「西の盟主・リムルvs東の黒幕・強欲のマリアベル」と「西側の獅子身中の虫、魔王レオンと転生者・神楽坂優樹による転生を巡る陰謀」に収斂されていくのかな、という伏線が提示されています。
「自陣営の成長や同盟で勢力圏が大きなった結果、より遠くのより大きな勢力圏との摩擦が生じるようになった」
というか、普通にやったらスケール大きく「東西間の世界大戦」に発展しそうな、再びシリアスな話になっていきそう。
逆に、このまま本編で延々ダンジョン運営の話され続けちゃったらどうしようw
aqm.hatenablog.jp
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