霊媒師の家系(かけい)のギャルと、いじめられっ子気味で孤独なオカルトオタクの少年の同級生ガールミーツボーイから始まる、オカルトバトルなバディもの。
「ボーイ・ミーツ・ガール」、「オタクに優しいギャル」、「ラブコメ群」、「ちょいエロ」、「呪術廻戦、チェンソーマンなどの最近のジャンプのオカルトバトル漫画群」、「うしおととら」、「東京入星管理局」、「GANTZ」、「メン・イン・ブラック」、「漫☆画太郎」、
あたりを足して適当に割ったような感じ。
いろんなジャンルのごった煮、カオスな闇鍋みたいな漫画。クリーチャーも宇宙人から妖怪から幽霊から割りとなんでもあり。
ちょっと奥浩哉的とでもいうか、「描きたい画」が先に在って、そこから逆算してエピソードを繋げていってる作り方?と思わなくもないですが、よくわからんねw
倒すべきラスボスも、辿り着くべき約束の地も、提示されないまま、ただただ降りかかり続ける火の粉を払い続け仲間が増え続け経験を重ね続けてより強く成長していき続ける、ステージ制のタワーディフェンス・ゲームのようにエピソードが重ねられます。キンタマ以外。
「海賊王を目指す」でもなく「ひとつなぎの大秘宝」を求めるでもなく。
作品を貫く縦軸、キンタマしかない。あとラブコメ。
躍動感あふれる見応えのあるアクション描写、奇想天外な風景を緻密に描画する画力。
に対して、ストーリーテラーとしてはおそらく短中編に特化した作家さんなのかな、と思うようになってきました。
金玉を一つ取り戻した「バモラ&カシマレイコ編」の完結を受けて、しばらく幕間回が続くのかな、と思ってたら息もつかせず前巻で新章「委員長編」突入したと思ったら、前巻のうちに完結。
委員長の証言、「金の玉は落とし物として交番に届けられた」を追って、交番への潜入、そして現在の所有者として浮かび上がった少年「頭間雲児(ずまうんじ)」を追って、近隣の『ろくでなしブルース』『ビーバップ・ハイスクール』みたいな昭和スタイルな不良校へ。
不良校の不良たちが語る、少年・頭間雲児の異変とは…
自分は映画『ジュマンジ』?を観ていないんですが、それのオマージュらしいです。
キーマンの名前も「頭間雲児(ずまうんじ)」≒『ジュマンジ』。
ジオラマめいた中世RPGのゲームの中に閉じ込められた桃ちゃんと、先に入ってた頭間の冒険。
「ジオラマの世界に入って冒険したい」
って身に覚えのある子どもの原初的な願望に忠実で、ワクワクしますね。
「若い男女二人を狭い空間に閉じ込めておけば勝手に恋に落ちる」
に倣えば、オカルン視点的には「ラブコメの危機」ですけど、桃ちゃん姐さんそのへん「背筋がビッとしてる」ので、メタ的にはあんま心配ないかなと思います。
超SF、オカルトホラー、ときて今回は中世RPG風ファンタジー、作品の売りの作画の見せ場もそっち寄りに。
執筆体制を詳しく存じ上げないですけど、作家が多芸なのか、背景アシスタントさんが優秀なのか、作画ツールの発展なのか。
自分がアニメのスタッフだったら、「こんなん無理」とアニメ化に反対しちゃいそうw
aqm.hatenablog.jp