#AQM

あ、今日読んだ漫画

#猫を処方いたします。 1巻 評論(ネタバレ注意)

「京都市中京区麸屋町通上ル六角通西入ル富小路通下ル蛸薬師通東入ル」という暗号のような住所に営まれる、精神科クリニック「中京こころのびょういん」。

『猫を処方いたします。』1巻より(石田祥/ふじもとまめ)

仕事や家庭の人間関係で心が疲れた人々がやってくるこの病院は、しかし処方箋として「猫を処方」する、一風変わった病院だった。

おかしな処方に首を傾げながらも、患者たちは猫を自宅に連れて帰り、決められた期日を猫と共に過ごすことをきっかけに、人生がちょっぴり変わるのだった…

という、現代日本(京都)を舞台にした少し不思議なんかメルヘンでアニマル・セラピーな精神科もの、猫漫画。

と、簡単に紹介するとそういう話ですが、「アニマル・セラピー」を名乗るほど合理的ではなく、「精神科もの」というほど病院が舞台ではなく、表紙の医者の出番も多くはありません。

猫を預けられた患者たちのヒューマンドラマが中心。

『猫を処方いたします。』1巻より(石田祥/ふじもとまめ)

むしろ患者の方にスポットを当てて、猫に癒される、猫が起こすトラブルに巻き込まれる、猫に情が移って人生が変わる、そういう様子を少しのファンタジー?を交えながら。

割りと偶然頼りというか結果オーライというか、気まぐれな猫まかせのラッキーご都合展開ではあると思います。

「アニマル・セラピー」や「猫の癒し効果」の科学的・医学的・精神病理学的な合理性に基づいたうんちくを期待して読むと少々肩透かしを喰らうかも。

1巻はブラック企業の上司のパワハラで病みかけている若手の金融サラリーマンの話と、職場の人間関係の変化に馴染めず家では妻や娘との関係が冷え切っているおじさん係長の話。

『猫を処方いたします。』1巻より(石田祥/ふじもとまめ)

「アニマル・セラピー」というよりは、単純に「子は鎹(かすがい)」効果、という感じもしますね。

自分はタイトルと表紙から、前述のように

「イケメン医師の猫セラピー、その精神病理学的な合理性のうんちく」

を期待して読み始めたので、ファースト・インプレッションは

「なんかちょっと思ってたんと違う…」

でした。

思ってたより、まぐれでうまくいってる話だな、と。

『猫を処方いたします。』1巻より(石田祥/ふじもとまめ)

すごく面白いと思ったわけではないんですけど、にも関わらず妙に続きが気になる漫画だな、と。

弱ってる人は人生が好転してほしいし、猫は優しくされて欲しいし、という期待に応える優しい漫画ではあるんですけど。

なんかちょっとファンタジー要素というかミステリー要素?もしかしたらホラー要素?

まだちょっと、どういう漫画か、どういう話を読ませたい作品なのかよくわかってないんですけど、本筋じゃないながらとりあえず

『猫を処方いたします。』1巻より(石田祥/ふじもとまめ)

「猫を捨てる人間たち」

「猫を死なせる人間社会」

に対する強い憤りは感じます。

あとは

「猫はいいぞ」

ですかね…

なんなんだ、この漫画w

ヒューマンドラマの形はしているものの、難解なわけではないのにディティールがいろいろ不可解で、かといって不愉快な作品でもなく、

「この漫画をもうちょっと理解したい」

という動機で、2巻読むしかないな、こりゃ。

『猫を処方いたします。』1巻より(石田祥/ふじもとまめ)

なんか、変な漫画w

クール無愛想な看護師さんのキャラが良いですねw

 

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