
岐阜県H市(羽島ですかねw)の高校2年のクラスメイト4人は、読書感想文や開発したアプリの表彰、学級委員としての付き添いなどで、新幹線で東京に行くことに。
IT知識と投資式に長け、お年玉を株式投資に回して資産2,000万円に達し、開発したアプリも表彰される真中(♂)。
家庭の事情で貧しくスマホもケータイも持ってないながら、『ハンター』のゴンのように野生児気質で真っ直ぐな性格の朝比奈(♂)。
クラス委員でいい人そうな美白イケメンの白根(♂)。
同じくクラス委員でK-POP大好きな、紅一点の成澤、「心ちゃん」(♀)。
駅に集合し乗車した4人を乗せた新幹線が品川駅付近に達したところ、新幹線が停止、乗客たちのスマホなどの電子機器類も全て故障。
停車した新幹線のドアをこじ開けて降りた東京は、信号も照明も消え、自動車があるいは停まりあるいは衝突事故を起こし、末は航空機がボコボコ墜落し炎上する地獄絵図だった。

『ストランド』2巻より(益子リョウヘイ/NUMBER8/小学館)
日本列島は、軍隊風の謎の集団が飛ばした気球群に覆われ、それらが発したEMP攻撃によりあらゆる電子機器が破壊・無力化された世界となった…
というディザスターもの。
映画で言う、「パニック映画」「ディザスター映画」「災害映画」。
パニック映画(パニックえいが)、またはディザスター映画(ディザスターえいが)、災害映画(さいがいえいが、英: disaster film)は[2]、災害や大惨事など突然の異常事態に立ち向かう人々を描く映画のジャンル。
日本では「パニック映画」という名称が長く用いられてきたが、近年では英語圏の呼び名の直訳である「ディザスター映画」の使用が増えている。英語圏以外ではカタストロフィ(fr:Film catastrophe)が使用されることが多い。
様々な人間の行動を描くためにグランド・ホテル形式が用いられる。異常事態を描くために大掛かりな特撮(SFX)が使われることが多い。
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「ゾンビもの」とか『ゴジラ』とかの一部の怪獣ものも広義の「ディザスターもの」に含まれる感じなんですかね?
漫画で言うと『ドラゴンヘッド』とか。

『ストランド』2巻より(益子リョウヘイ/NUMBER8/小学館)
なんで特に映画において「ディザスターもの」が多いかって、「生き残れるか」という単純ながら強力なストーリーの引力が強いのと、事故・災害・破壊の描写の映像としての「映え」が強いんでしょうね。
不謹慎ながら、見ちゃうもの。
ボンカレーがどう作っても美味いように、ディザスターものはディザスターものであるという時点でもう少し面白い。
本作はディザスターの原因がEMP攻撃による、という変わり種。
SFやミリタリー好きだと頻出するんで「EMP」で通じますけど、アレです、『MATRIX』の一作目でタコロボット群を電磁波で壊すやつ。
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まあ、太陽フレアなどを除くと、兵器ですね。本作も兵器によるEMP攻撃。
なので自然災害ではなく、戦争攻撃、もしくはテロによる人為災害。
「ディザスターもの」の主人公たちの行動目的は、サバイバルと脱出。
今回は日本社会そのものが被害を受けているので、敵性勢力の排除とインフラ復旧までが視野に入るのかしらん。
まあその辺は主人公たちの仕事じゃないっぽく、まだ詳細があまり語られない「敵性勢力」と、日本政府や自衛隊の動きも背景として描写が挟まれます。

『ストランド』2巻より(益子リョウヘイ/NUMBER8/小学館)
1巻はとりあえず、主人公たちが
「東京来たら新幹線止まった」
「新幹線から脱出したら品川の街が阿鼻叫喚だった」
というところまで。
人口密集地で事故やトラブルも多そうな東京を脱出して、岐阜羽島への帰還、もしくは朝比奈の弟がいる富山への到着が勝利条件、という感じでしょうか。
主人公たち4人グループが、「IT特化型の頭脳派オタク」「IT不要のゴン型の野生児」「薄着の女」と、EMPディザスター状況に対してそれぞれ役割が尖ってて良いですね。
イケメンの白根くんだけ、まだ役割がよくわからん。
「腹黒の裏切り者」枠?
2巻はホームセンターで物資調達、奇跡的に営業している町中華、最初の一泊、目的地設定、飛行機墜落現場に遭遇、などなど。
本格的なサバイバル行程開始、まずは東京脱出を目指して。

『ストランド』2巻より(益子リョウヘイ/NUMBER8/小学館)
災害で余裕がなくなって怒りっぽくなったり、世紀末ヒャッハーになったりする大人が多い中、まだ余裕を保ってる大人、そしてまだ余裕を保ってる主人公たち。
「災害がもたらす非日常」が、すぐ終わるのか、永遠に続くのか、どれぐらいでインフラや治安などの社会機能が回復するのか。
先がわからない中、人によって倫理観の壊れ方や速度のバラつきというか「ヒャッハー化」に濃淡があるのが妙に生々しいですねw
主人公チームはベビーフェイス路線、「良い人縛り」で行くようです。
若さなのか、客気なのか、まだ余裕があるのか、4人組故の余裕か、「好きな子が見てる」からなのか。
この状況下で、目標を地元の岐阜から、朝比奈の弟がいる富山に変更することに全員があっさり賛成したり。

『ストランド』2巻より(益子リョウヘイ/NUMBER8/小学館)
全体的に、主人公たちにしろ、MOBたちにしろ、行動と動機がなんかフワフワ浮ついてるというか、
「そうはならんやろ」
と一見リアリティがないように見えるんですけど、前述のとおり災害状況がどれだけ長引くかも不透明な中、また災害に動揺する中、
「どう振る舞うべきか」
理性で決めかねて感情的に振る舞ったり、周囲に流されたり、
「やっぱ、そういうもんかも」
と思ったり。
焦ったくも人助け路線で寄り道多そうな主人公チームの旅はまだ東京、俺たちの旅はまだ始まったばかりだ!

『ストランド』2巻より(益子リョウヘイ/NUMBER8/小学館)
と次巻に続く。
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