#AQM

あ、今日読んだ漫画

#VTuber草村しげみ~遠くに行ってしまった気がした推しが全然遠くに行ってくれない話~ 1巻 評論(ネタバレ注意)

草村しげみは、チャンネル登録者数130万人を誇る、押しも押されもせぬ人気Vtuberだったが、デビュー直後の零細チューバー時代の一人目のチャンネル登録者、リスナーのHN・ナナシノをお慕いする気持ちがダダ漏れ続けていた。

『VTuber草村しげみ~遠くに行ってしまった気がした推しが全然遠くに行ってくれない話~』1巻より(さかめがね/スクウェア・エニックス)

ナナシノは平凡なサラリーマンの好漢で、

「もはやメジャーになった草村はみんなのための存在、

 特定一人の古参の自分を特に優遇するようなことはあってはならぬ」

との考えから、慎ましく草村を応援しているが、草村はお構いなしにナナシノのコメントに全レスし、ナナシノのツイートを監視し、ナナシノのコメントや動向に一喜一憂し、その様子を130万人の登録者たちに垂れ流し続ける。

そんな草村とナナシノの関係を、草村チャンネルの登録者たちは生暖かく見守っているのだった…

『VTuber草村しげみ~遠くに行ってしまった気がした推しが全然遠くに行ってくれない話~』1巻より(さかめがね/スクウェア・エニックス)

という、Vtuberギャグコメディ、広義の「ラブコメ」でいんじゃないかなと思います。

正直、第1話がSNS漫画らしく読み切り短編ネタとしてあまりにも完成していて、第2話以降はずっと蛇足な建て付けなんですけど、キャラを上手に膨らませて、蛇足もずっと面白い、という漫画。

あと、動画配信者とリスナーがインタラクティブにコミュニケーションを取りながら形成する場の雰囲気の「陽」の面、Vtuberをめぐる文化の楽しさやライブ感を上手く誌面に再現してる漫画だな、と思います。

自分も草村チャンネルの常連ヘビーリスナーみたいな気になっちゃうw

草村のチャンネル登録者数130万人というと、近いところでは

Vtuberランキング

https://virtual-youtuber.userlocal.jp/document/ranking

もはや大御所の月ノ美兎が

www.youtube.com

登録者数138万人(ランキング49位)とのことです。(いずれも2025年4月23日付)

今のVtuber市場って、草村の登録者130万人以上の配信者が50人以上もいるんですね。

自分はそこまでVtuber追っかけてなくて詳しくないですけど、壱百満天原サロメをデビュー当時のブームで興味本位からチャンネル登録してて、それ以来「けっこう観てます」ぐらい。

非言語系の作業やアクションゲームやレースゲームやってる時にBGM・ラジオ代わりに、実況や雑談の配信を流しっぱなし、みたいな感じ。

最近は、壱百満天原サロメの動画にモンハン実況などのコラボでちょいちょい登場する樋口楓が、

www.youtube.com

頭の回転の速い古参コワモテ関西弁おもしろ姉御肌からのギャップ萌えが可愛くて気になってます。

こないだの週末は「かえみと」や「でろーん×サロメ」の切り抜き動画を観漁って、にじさんじの人間関係にちょっと詳しくなりました。てぇてぇ…関係性…

さて。

『VTuber草村しげみ~遠くに行ってしまった気がした推しが全然遠くに行ってくれない話~』1巻より(さかめがね/スクウェア・エニックス)

本作は

「特定のリスナーにガチ恋してる人気Vtuber」

「後方腕組み彼氏目線のつもりがステージに引き摺り出される古参ファン」

という特殊なシチュエーションの「関係性萌え」漫画ですが、ナナシノはもちろん草村のファンなので「推し」的な意味では相思相愛ですが、「弁えたファン」すぎて「ガチ恋」的な意味では草村の片想いなんですよね。

ある意味ナナシノ、

「普通にしてるだけでアイドル的ヒロインにグイグイ来られるヤレヤレ系主人公」

の亜種というか。

ラブコメの類型としては

「首を縦に振らない男に片想いしてる女の子を(ギャグコメ的に)愛でる」、

ラブコメや少女漫画の古典的なタイプかなと思います。

おまけ漫画の一節ですが、

『VTuber草村しげみ~遠くに行ってしまった気がした推しが全然遠くに行ってくれない話~』1巻より(さかめがね/スクウェア・エニックス)

この漫画のラブコメ面の核要素を端的に表したエピソード。

一般人(ナナシノ感情移入)目線では、人気美少女Vtuber相手の

「普通にしてるだけでアイドル的ヒロインにグイグイ来られるヤレヤレ系主人公」

はちょっと夢小説的なドリーム要素ですけど、でも、もう一段妄想のギアを上げて具体的によく考えると、

「人気美少女Vtuberから名指しでガチ恋を公言される」

って、けっこう困りますよね。

『VTuber草村しげみ~遠くに行ってしまった気がした推しが全然遠くに行ってくれない話~』1巻より(さかめがね/スクウェア・エニックス)

自分もネットの向こう相手のガチ恋経験ありますけど、人気美少女Vtuberとはいえ本名も顔も年齢も恋人有無や婚歴も知らない、厳密には性別すら定かではない相手に激重の好意を寄せられるって結構怖いし、激重の好意を寄せるのも割りと恋ゆえの愚かしさ・狂気だな、と思います。

前述の樋口楓さんはファンやリスナーに対して「ガチ恋勢お断り」を公言されている、とのことですが、

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自分も樋口楓さんから「草村→ナナシノ」のようなガチ恋感情を向けられるの、ちょっと困ります。

ごめんなさい、お断りさせていただきたい。俺は何様なんだよ。

一般人の立場ですら、打算や警戒心などの人生の損得勘定でネットの向こうにガチ恋なんか普通はできない故に、「みんなの人気Vtuber」の立場にありながら打算抜き全力ダダ漏れで垂れ流され続ける草村の片想いが微笑ましく眩しく愛おしく感じるし、

『VTuber草村しげみ~遠くに行ってしまった気がした推しが全然遠くに行ってくれない話~』1巻より(さかめがね/スクウェア・エニックス)

(これ愛おしいか?)

若さ(?)や恋ゆえの愚かしさや狂気が、いつか「世間の仕組み」(とナナシノの都合)を貫き粉砕して成就しちゃって欲しい、と思ってしまいますね。

 

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