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#桂正和コレクション vol.2 【完】 評論(ネタバレ注意)

読みたい新刊やセール対象コミックの枯渇につき旧作の話をします。

桂正和の短編集で5編を収録、そのうちの1編「ビデオガール」、90年代のヒット作「電影少女」のパイロット版、連載前の読み切り試作品の話です。

全15巻の「電影少女」の最終巻にも収録されてましたが、その後の愛蔵版でカットされ、その愛蔵版をベースにkindle化されてしまった結果、この作品を電子書籍で読む手段は現在ありません。久しぶりに読みたくなったけど絶版なのでAmazonのマケプレで買い戻しました。

クラスの女子に片想い中の高校生男子・宗洋が怪しげなレンタルビデオ屋でエッチなビデオを借りたら、テレビからボーイッシュな美少女「はるの」が出てきて、宗洋の片想いが成就するよう応援するけど、実ははるのの再生期間は1ヶ月で…

という、おおよそ「電影少女」のあらすじをたどり、65ページしかないので密度濃くテンポよく、桂正和が「電影少女」でやりたかったことがシンプルに詰まった良作。

「はるの」が乱暴な男言葉なんだけどすごいいい娘で、別れのシーン、読者の想像に任せた余韻の残る終わり方、全盛期を迎える寸前の桂正和の絵もあわせて、とても好きな作品でした。