「笑われるのは慣れてる でもいつか…だから
私に落語を教えて下さい!」
「手とり足とり教える気はあらへんで
ウチの芸 盗めるもんなら盗んでみ」
大正時代、淡路島の狸の里の豆狸・通称「まめだ」は、おつかいで訪れた大阪で長の禁を破って人間を化かす気満々だったが何をやっても上手くいかない。
化かし損なったボブカットのモダンなガールを尾けて行った先は落語の寄席、モダンなガールは狐が人に化け大黒亭文弧を名乗る落語家だった。まるで言葉で人間を化かすかのような文孤の落語に魅せられた"まめだ"は、押しかけ弟子として文孤のもとで落語家を目指す。
という大正浪漫で上方落語なファンタジーコメディ。表紙の左が"まめだ"、右が師匠の文孤。
大正時代を舞台にすると格調高そうに見える効果にポップな絵柄、やってる中身は熱血系の人情噺と、ミスマッチにミスマッチを重ねて不思議な読み味。
落語もの漫画というと「昭和元禄落語心中」に「じょしらく」、ドラマだったら「タイガー&ドラゴン」あたりですか。落語の文化が語られることはあっても、落語そのものの魅力は中々漫画で伝えにくいジャンルですけど、解説にも力が入ってて落語愛が伝わってくる1冊。
(選書参考)
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