「テナーの君、突然すまないが、今度オレ達の世界ツアーに、参加してくれないか?」
「もちろん、いいですよ。」
「OKか。なら…」
「いいんですけど、ボクらのステージで歌ってくれますか?」
「(こんなことをオリバー相手に言えてしまうのか…)」
「(ここまで正々堂々と…ジャズを信じられるなんて…)」
若き日本人ジャズ・サックス・プレイヤー宮本大のサクセス・ストーリー。ヨーロッパ編。
若き無名の凄腕が4人集まって多国籍ジャズバンド「NUMBER FIVE」を結成。欧州中を貧乏旅行でツアーで巡りつつ徐々に頭角を現し、英ノーザンプトンの大規模ロックフェスにジャズバンドの身で招待を受け、その本番。今や大メジャージャンルとなったロックの客に、彼らのジャズは通じるのか。
今巻で前章の巻数に並び、バンド名変更以来、主人公の才能とスケールに他の凄腕3人が置いていかれる描写が続き、ライブは大成功しながらも「いつか終わるもの」と各々が覚悟を決め始める展開。
残された時間はもうあまり長くなく、それまでにどんだけデカい花火を何発打ち上げられるか。なのかな。
そういうタイプに見えなかったので、ラファの涙が少々意外だった。
そんなにも、か。
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