「じゃあ牧村さんモテたいから髪伸ばしたの?」
「昔はずっと長かったんですよ
でもなんというか『女』として見られるのに嫌気が差して
いわゆる女性らしいものを忌避するようになってきて
でもそうやって避けてる時点でどーしようもなく女なんですよね…」
「長い髪もスカートも…無理に避けるでもなく迎合するでもなくて
ただの選択肢の一つにできたら良いと思ったんです
どんな服でも髪でも 私は私ですから」
葉山かすみ(26)は中小IT企業の事務職OL。上司や男子社員の同僚からの飲みの誘いは断らず、女子社員の同僚からのランチの誘いも断らず、周囲の多少のハラスメントにも目をつむって、押されたら引く「お嫁さんにしたい良い人系ゆるふわOL」を演じて暮らしていた。
唯一のストレス解消は昔の彼氏にドン引きされて以来、誰にも内緒の習慣になっている毎朝起きぬけの一本の煙草。
飲み会でストレスが溜まったかすみは、ノー残業デーの夜の会社に戻り喫煙所で一服していたところ、転職してきた同調圧力に屈しない系の同い年でクールな女性エンジニア・牧村さんに目撃されてしまう。かすみは牧村さんに口外しないよう頼み込むが…
という「女性の生きづらさ」と社会人らしさ、女らしさ、自分らしさがテーマの非4コマのお仕事もの。
ちょっとこの漫画と関係ない話をします。
最近は新型コロナウイルス禍で出歩くの自粛している関係もあり、余暇は自宅でFPSの「CoD:MW」にハマってます。
初心者はまずFFAやTDMからスタートしがちで自分もそうなんですけど、特にTDMなんかはキルすることよりデスしないことの方が大事だったりして、ルール上、30キル31デスより1キル0デスの方が理屈上はチームの勝利に貢献できるんですね。
キルレ至上主義と言ってもいいかもしれない。キルレ1.0未満は基本的にチームの足を引っ張る存在です。
「CoD:MW」はマップが複雑なこともあって基本的に待ち伏せ有利なので、TDM的価値観で言うと特に初心者はキルレ至上主義の待ち伏せ重視のスタイルがチームの勝利のためには正しい。特にFFAとTDMはオブジェクトを巡る「文脈」がなく、接敵機会に脈絡がないので(達人には「流れ」が見えていると思いますが)その傾向が強いです。成功を求めるより、失敗を恐れるスタイルとも言えます。
自分はFPSはMSSPのeoheohさんとかRushのぐっぴーさんとかのプレイスタイルとか好きで、サブマシンガンで走り回ってデスしまくってキルしまくっての出入りの激しいアグレッシブなプレイをしたいんですけど、これやると特に初心者はキルレが一向に上がらない。ルールの要求、「チームに迷惑をかけてはいけない」という圧から、本来やりたい走り回ることを封じて待ち伏せスタイルに迎合しがちになります。
もちろん「引くこと覚えろカス」の世界でもあり、上手い人はTDMでもアグレッシブにプレイしつつ引くべきところは上手に引いて、高キルレを維持されてます。
で、最近、ドミネーションやハードポイントなどの、いわゆる「オブジェクト系」にも手をつけてみたんですが、こちらは勝利ポイントがキルデスの数ではなく基本的に拠点占拠の時間で加算されていくので、何が違うかというと走り回ってデスしまくっても拠点占拠や裏取り、囮や盾になったり、手榴弾やガス投げ込んだりランチャー打ち込んだりと味方をサポートすることで、走り回って撃ち合いまくりたい初心者でもいろいろやって勝利に貢献することが可能で、やっててとても楽しくて、ちょっと目からウロコでした。
個人的には拠点をめぐる駆け引きで脈絡ありきの接敵機会も多く、1試合あたりの総キルデス数が増えるのも嬉しい。
キルレはまあ、ひどいことになってますけど、死にまくりながら楽しくやってます。引くこともちょっとは覚えたわw
「FPSといえばTDM!キルレ大事!」という固定観念が私は長くあったんですが、それはもちろん一面で正しいんですが、全員が全員TDMをキルレ維持しながらやる必要はなく、ハーポが好きなやつ、ドミネが好きなやつ、サーチが好きなやつ、GWが好きなやつ、バトロワが好きなやつ、いろんな人がいて、好きなルールを選んで自分らしくそれぞれのプレイスタイルで楽しめばいいんだなあ、と思いました。
もちろん最終的には上手くなってTDMも高キルレでアグレッシブなスタイルで楽しめる腕前になりたいと思ってます。FPSってやってると反省と改善の繰り返しで、なんか意識高い系になるよねw
関係ない話、終わり。
こじつけ気味ですけど、この漫画読んでて「社会人らしさ、女らしさ、自分らしさ」の抑圧とそこからの解脱について、「TDM至上主義・キルレ至上主義」からの解脱とちょっと符合してしまいました。
最終目標が同じ「楽しむこと」「チームの勝利を目指すこと」であっても、やり方やスタイルの選択肢は多い方が良いというか。
キーになるソリューションとしてテレワークが出てくるのも、新型コロナウイルス禍のこのご時世に奇妙なタイムリー性がありますね。
2巻で完結というと「すわ、打ち切りか!」と思ってしまいがちですが、この作品はあまり押し付けがましくなりすぎずに、描きたいことを描ききって、言いたいことを言い切って、綺麗に終わったように思います。
周囲を変えていくことだけではなく、自分も変えていくこと、変わっていくこともサラリと描かれていて、とても好感を持って読みました。
真面目なテーマの漫画なのに、殺し合いのゲームを喩えに出したトンチキな感想で、なんかすみません。
aqm.hatenablog.jp