「可能性もチャンスも身も心もどんどん削られていく
…それでも今の自分が一番
"生きる"って…そういうことなのかもって」
動物たちが直立歩行し服を着て暮らす社会を舞台にした何かと示唆に富む青春もの。
主人公はハイイロオオカミのオス。学園内の食殺事件の犯人を決闘で倒し、その過程で友人の足を食った罪に耐えかねて学園を去った、強く不器用で心優しいレゴシ。彼と恋に落ちた魔性の美少女先輩・ドワーフウサギのハル。
肉食と草食が共生する一見理想的な社会の「そう簡単に上手くいかない」部分にスポットを当て、その社会の矛盾に嵌り落ちて苦悩する肉食動物の少年の葛藤、放浪、恋愛観、人生観。
凶悪犯・メロンとの闘争で警察に追われる身となったレゴシは古巣のチェリートン学園に身を寄せる。旧交を温める旧友たち。しかし学園はレゴシが居た頃の姿ではなかった…
特進クラスで学んだ「本当の歴史」をレゴシに語るジャック。現役ビースターズ・ヤフヤと言葉を交わす「歴史上」の存在。演劇部の部長を継いだベンガルトラ・ビルの日常。裏市の野蛮な熱狂に再び火をつけるメロン。その裏市で再び邂逅するレゴシとルイ。タイトル回収。お、なんか「ハンター」のビスケみたいなのが…w
あとがきによると冒頭のセリフを若い読者に読ませることにずいぶん葛藤されたそうです。
自分が若い頃に似たようなセリフをやはり漫画で読んだことがあって、こういうセリフです。
「しかしそうして人生は一つ一つ決定されていく
可能性という甘く魅惑的で無責任な言葉は一つ一つ消え去っていく」
若い時にこういうセリフを読めたことを「良かった」と自分は思ってますけど、どうでしょう。この後、こう続きます。
「大丈夫よ」
「ずっと一緒よ」
「あたしと神様とどっちを信じる気ー?」
aqm.hatenablog.jp
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