#AQM

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#天国大魔境 5巻 評論(ネタバレ注意)

石黒正数のストーリーもの、ポストアポカリプス、AKIRAっぽくもあり、寄生獣っぽくもあり。シリアスでハードでミステリーでグロテスク。

2本立てでストーリーが進展してて、

 

①学園パート
「学園」と呼ばれる高度に科学化され閉鎖された環境で、職員達に観察されながら「外」の知識を欠落しながら平穏に暮らす少年少女達の生活

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「天国大魔境」5巻より(石黒正数/講談社)

 

②サバイバルパート
大崩壊の15年後の世界で正体不明の「天国」を探して旅する少年マルとボディーガードの少女キルコのロードムービー

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「天国大魔境」5巻より(石黒正数/講談社)

が今のところ交わらずに並行して進行。


便宜上、「ミステリー・サスペンス」というカテゴリタグをこの作品にも付けているんですが、その筋の人と話をしたところ、厳密にはミステリーと呼べる漫画作品は数えるほどしかなく、多くの漫画はミステリーにはあたらないとのことで、この作品がどうなのかわかりませんが、便宜上ここでは「ミステリー風」としましょうか。

 

最近、ミステリー風の漫画を、読むのはいいんですけど、感想を書くのが苦になってきました。

ミステリー風の作品は性質上、縦軸を貫く大きな謎があって、序盤〜中盤は伏線をばら撒いて張り巡らせて、主人公たちの行動によって終盤にこれが収束していきやがて謎が解けるのがカタルシス!ってのがまあ大体ミステリー風作品の建て付けかなと思うんですけど、

漫画、特に連載漫画って、単行本の間隔がまあ最低数ヶ月は空くんで、なんか相性悪い気がするんですよね。2時間の映画の「始まってから30分のところから60分のところまで」を、途中で劇場から出て途中から途中までの感想書かないじゃん。普通最後まで観るじゃん。

ミステリー、ミステリー風含めて、もともとは小説だったり舞台だったり映画だったり2時間ドラマだったり連続ドラマだったりある程度間隔がギュッと詰まっていて、続きが気になる読者なり観客なり視聴者なりが続きが気になってハフハフ言いながらイッキ読み・イッキ観に近い状態で最後まで観て、「はー、面白かった!」ってなるもんかなあ、と思うんですけど、

特に漫画の新刊でミステリー風読むと、「わっ、なにコレ気になる!…続きは半年後だけど」「盛り上がってきた!…続きはいつ出るかわかんないけど」みたいに冷めるというか、下手したら「どうせ続きは半年後のくせにもったいぶりやがって」ってちょっとムカついてくることもたまにあります。

考察要素とかで散りばめられたヒントを繋げたら予想が可能な建て付けだったら考えながら面白く読めるんですけど、作者の匙加減でどうにでも話が動いちゃう系だともう、もうアレよね。

たぶん、ジャンプ的な連載漫画の「毎話・毎巻に見せ場を!」という思想に毒されてるんだろうなー自分。とか思ったりもするんですけど。漫画家だって俺に感想書かれるためにミステリー風漫画を描いてるわけじゃねーし。

でも、思わせぶりなばかりでもったいぶっていつまでも進展しないミステリー風漫画にイライラした経験、アナタもございません?


ということで最近は、ミステリー風の漫画作品の新刊を追いかけるのも、一冊ずつ感想記事書くのもやめてしまいました。完結してからまとめて読むわ。作品の存続に貢献できなくてごめんなさい。


で、どミステリー風のこの作品のこの巻なんですけど、いやー、面白いね! 続きが気になるのに次巻はまた数ヶ月後なのも一緒なのにね! 俺もう言ってることメチャクチャだけど! わからん、全然わからん! 言語化する用意ができてない!

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「天国大魔境」5巻より(石黒正数/講談社)

もちろん漫画の楽しさって縦軸だけじゃないんで、衝撃の事実を小出しに明かしたり、細かいコメディ要素入れたり、魅力的なキャラ描いたり、小さな盛り上がり入れたり、派手なバトル入れたり、美麗な絵で魅せたり、いろいろあるんでしょうけど、この、自分がいかにもイライラしそうなジャンルの漫画の途中の巻がなんで平気で面白く読めるのか、全然わからん!

 

ということで、次までになんか考えときます。他の人の感想とか読んで勉強しよ。

とりあえず、今巻も面白かったです。なんで面白いと思ったのかは俺には自分でもよくわからん。

 

天国大魔境(5) (アフタヌーンコミックス)

天国大魔境(5) (アフタヌーンコミックス)

  • 作者:石黒正数
  • 発売日: 2020/12/23
  • メディア: Kindle版

 

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