失礼ながら「まんがタイムきらら」系の量産型美少女萌え4コマのルックスを持ちつつも、「登場人物が成長していくお仕事漫画」の背骨を頑なに守り続ける漫画。
多摩美に不合格、専門学校を経てゲーム会社に就職するも2年で退職した作者の経歴や情念をいろんなキャラに色濃く反映、「業界もの」としてはだいぶ情報を薄めて、仕事の失敗や人間関係の葛藤を通じた登場人物の成長を焦点に。
次巻で完結とのことです。
成長のための試練、といえば聞こえはいいですけど、萌え4コマの範疇を逸脱するくらいキャラクターたちにストレスを与え続けてはそれを乗り越えさせてきた漫画で、この巻もそれは変わらず。
むしろ最大最後の大きな試練というかストレスというか。
もうこれ萌え4コマじゃなくて、半沢直樹というかプロジェクトXというか、完全におっさん向けのあっちのコーナーの作劇に。
協働によってモノづくりをするリーマン向けのある種の夢を描く作品ですけど、甘い夢ではなくて、苦く苦しい艱難辛苦の果てのカタルシスを描こうとする作品。
俺らが楽しく遊んでるゲームも、こういう胃が痛くなるような出来事の積み重ねでできてるのなー…
美少女絵しか描けないのに、プロジェクトXのような話しか描けないこの作者が、次回作に一体なにを描くのか、早くもそっちが気になってしまいます。原作者とかになったりするんかな?
この作品はまあ、青葉たちがこれまで何度も逆境を乗り越えてきたのを見てきたので、実はあんまり心配してないんですけど。
きっと苦くて甘い、でも自分もがんばろうと思えるようなハッピーエンドが待ってるだろう、と信頼しています。どうせ泣くんだろうな俺…
さあ最終巻!いつだ!?かかってこい!
aqm.hatenablog.jp