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さみだれや 読んだ漫画と ウマ娘

#ゲーミングお嬢様 2巻 評論(ネタバレ注意)

ジャンプ+でWEB連載されている、オマージュやパロディを散りばめ中毒性のある言語センスを伴った、基本ギャグコメディ進行の格闘ゲーム×お嬢様のゲーマー漫画。

格闘ゲームとお嬢様は「ハイスコアガール」といい「対ありでした」といい、なんか相性よろしいですわね。

数ある「格ゲー×お嬢様」作品の中でも最もイカれた世界観設定の作品。

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「ゲーミングお嬢様」2巻より(大@nani/吉緒もこもこ丸まさお/集英社)

わざわざ作画担当を付けているにも関わらず、すごく絵が上手いわけでも美少女が可愛いわけでもないという不合理な建て付けですけど、世界観も話の展開も不合理なので全体として調和が取れているという、ツッコミどころの多いギャグ漫画のような作品。

大会「嬢劇」決勝、隆子様の前に立ちはだかるのは、同じ伝説のプレイヤーの薫陶を受けた、冷静かつ正確無比のファイティングマシーン・飛紀子様。

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「ゲーミングお嬢様」2巻より(大@nani/吉緒もこもこ丸まさお/集英社)

勝負を制するのは、無駄なこだわりを捨てられないエモの塊か、常に最高効率のみを選択するマシーンか。

自分、サラリーマンなんですけど、普通に暮らしてるとなかなか勝ち負けの世界に足を踏み入れることはありません。仕事で漫画のようなコンペ勝負というのはなかなかなくて、望まれるのは妥協の産物としてのWin-Winの関係であることが多いです。

大人の世界はなにかと、負けた時の予防線が多く、小さなプライドを傷つけない仕組みがよくできてます。

世の中の大半の人はそうで、格闘技を含むスポーツ選手や将棋・囲碁の棋士など、対人の勝ち負けの世界に身を置いてる人は実はごく僅かなんじゃないかと思います。

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「ゲーミングお嬢様」2巻より(大@nani/吉緒もこもこ丸まさお/集英社)

プロは強いことに意義があり、勝つことでしかそれを証明できないので、将棋漫画とかね、全身全霊で勝った負けたに魂をすり減らす描写が多いですよね。

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そんな中、本来娯楽だったはずのゲームなんですけど、eスポの隆盛でスポーツ界や棋界と同じように、強さに人生をベットする人が増えてきて、トップ層はもう遊びじゃなくなってきた感が強まってます。

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「ゲーミングお嬢様」2巻より(大@nani/吉緒もこもこ丸まさお/集英社)

敗北に対する恐怖、それを乗り越えて勝利を目指すこと、敗北から目を逸らすこと、プライドが削られて心が折れること、挫折を乗り越えて次の勝利に向けて再起すること。

楽しくなんでもアリのふざけた漫画で、格闘ゲームをめぐるテクニカルな言説や風俗にスポットが当たった描写が多い漫画ですけど、根源は勝負に臨む人間の心の有様を割りと赤裸々に描く良作だなあと思います。

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「ゲーミングお嬢様」2巻より(大@nani/吉緒もこもこ丸まさお/集英社)

なかなかね、負けてプライドをガリガリ削られて、そこからもっかい立ち上がれる人間って、ふだん勝負事に身を置いてない人間の中では一握りなんですよね。大抵は「自分に不利な条件だった」と言い訳を連ねてプライドを守りに走るか、心が折れてやめちゃいますから。

 

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「ゲーミングお嬢様」2巻より(大@nani/吉緒もこもこ丸まさお/集英社)

らしくて、いいねw

 

 

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