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#BLUE GIANT EXPLORER 5巻 評論(ネタバレ注意)

若き日本人ジャズ・サックス・プレイヤー宮本大のサクセス・ストーリー。

日本を舞台にした「BLUE GIANT」、ヨーロッパを舞台にした「BLUE GIANT SUPREME」に続いて第三部に相当。今度の舞台はジャズの本場、アメリカ。

ゼロからスタート、偏屈で強力なメンバーを集めて一世を風靡するバンドに…という展開もヨーロッパ編でやりきったので、アメリカ編は趣向を変えてダイが中古の日本車でアメリカ中の都市をソロで巡りバンドメンバーは現地調達する、というロードムービー風。

シアトルから出発したダイの旅も西海岸を離れメキシコの国境の街を経て、

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「BLUE GIANT EXPLORER」5巻(石塚真一/小学館)

エージェントを買って出てくれたナイスガイのジェイソンとも別れて中古のホンダでアリゾナ砂漠を横断。

軍資金もつきたところでニューメキシコのアルバカーキへ。

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退屈なロサンゼルス編だった前巻の感想で

なんとなく、作者も早くニューオーリンズやニューヨークの話を描きたいのをウズウズしつつ我慢して溜めてる感じしますね。

と書いたんですが、今巻でダイの身の回りに起こることはは前巻以上に地味で不遇なんですけど、作者がアメリカ編で描きたかったのはこういう話だったのかもしれないな、と思いました。

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「BLUE GIANT EXPLORER」5巻(石塚真一/小学館)

資金は空で寝泊まりは危険な車中泊、プレイできるステージはなく皿洗いとサックス初心者相手のレッスンティーチャーとして糊口を凌ぎ、大言壮語で虚勢を張る相手すらいないあまりの孤独に珍しく自身の活動に疑問を抱くなど、

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「BLUE GIANT EXPLORER」5巻(石塚真一/小学館)

境遇的にも資金的にもアメリカ編のサクセスストーリーの中でたぶんここがどん底だと思うんですけど、ダイ自身のモチベーションは高く、またどん底で出会った人々や、初心者に教える経験が自身のプレイの幅を広げる予兆が見えるなど、わざわざアメリカに来ての「武者修行」の甲斐が丁寧に描かれる巻。

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「BLUE GIANT EXPLORER」5巻(石塚真一/小学館)

ここから後は東部に近づくにつれてサクセス度合いが高まっていくんだろうなと思いますけど、ここでの溜めが効いてくるんだろうな、と。

スティーブ先生との邂逅シーン、良いですよね。

 

 

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