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#逃げ上手の若君 5巻 評論(ネタバレ注意)

「魔人探偵脳噛ネウロ」「暗殺教室」の松井優征の新作は、鎌倉時代末期〜南北朝時代〜室町時代初期を舞台にした歴史物。設定・登場人物は史実ベース。

鎌倉幕府のトップ・執権として世襲で地位を継いできた北条氏の嫡子の少年・北条時行。しかし、幕府と敵対する後醍醐天皇側に寝返った足利高氏(尊氏)により、鎌倉幕府は滅ぼされてしまう。

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「逃げ上手の若君」5巻より(松井優征/集英社)

オイ真面目に歴史やれよw

北条氏の滅亡により大切なものを全て奪われた時行は、信濃国の国守にして神官の諏訪家を頼りに落ち延び、足利への復讐を誓う。

という伝記もの。

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「逃げ上手の若君」5巻より(松井優征/集英社)

オイ真面目に歴史やれっつってんだろw

主人公・時行の持ち味は強い生存本能に基づく逃げの天才。

まだ9歳の時行を後見し成長を導かんとする諏訪頼重によって、小〜中のミッションが課されるような展開。

指名され特使として派遣された時行に対し、敵方・小笠原貞宗は執拗に「北条の遺児ではないか」と疑い審問するが…という前巻の続きから。

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「逃げ上手の若君」5巻より(松井優征/集英社)

継いで今巻までで1335年3月、信濃動乱。

時行が歴史にその名を轟かす「中先代の乱」まであと4ヶ月。

え、あと4ヶ月しかないの?

ということで、今巻までが「時行伝」のプロローグ、のローカル戦みたいなもんでしょうか。

新朝廷の信濃討伐・三正面作戦を受けて、諏訪頼重が時行に課した役目は3つの戦場を連携させる伝令役だった。信濃諏訪家が誇る三将の戦場を直に目にする機会を得た時行一行は一策を講じるが…

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「逃げ上手の若君」5巻より(松井優征/集英社)

頼重が言うように、今巻の戦の勝敗は作品全体の流れの中でそこまで重要でなく、時行と敵・味方の信濃の人々との縁が結ばれる点に重きを置いた展開。

地味な序盤を乗り切って、いよいよ歴史に名を刻む第一章へ、というところですけど、マジでこいつまだ9歳なんだけど大丈夫なんスかこの漫画。

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「逃げ上手の若君」5巻より(松井優征/集英社)

ってWikipediaとか見る限り史実においても多く見積もっても時行この時9〜10歳なんですよね。

鎌倉武士ってちょっと頭おかしいな。

 

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