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#よふかしのうた 14巻 評論(ネタバレ注意)

少年・夜守コウ(14)はふとしたきっかけで「上手くやれていた中学生活」が嫌になり不登校に。ある夜、夜の散歩で街を放浪していると「夜と不眠」に一家言持つ謎の美少女・ナズナに声をかけられ、血を吸われる。彼女は吸血鬼だった。

夜に生きる眷属になりたいと願っても吸血鬼化しないコウ。彼女が照れながら語る「吸血鬼になれる条件」は「吸血鬼に恋して血を吸われること」だった。

「だがしかし」作者の吸血鬼ファンタジーな青春ラブコメ。作品全体を通じてアンニュイとそのアンニュイからの解放が夜を舞台に描かれる。

『よふかしのうた』14巻より(コトヤマ/小学館)

探偵さんを中心に回ったハロウィン編、新キャラ複数登場の星見キク編・第一ラウンドを経て、新展開。

前巻ラストで「そこは触らない約束」だと思ってた、コウの保護者(母親)が登場。

コウの最近の行状を知った母親の反応は…

一方、一人孤高を保つ吸血鬼・星見キクと、彼女の眷属候補として目をつけられた、コウの幼馴染・マヒル。彼らが行方をくらました先は北海道。

『よふかしのうた』14巻より(コトヤマ/小学館)

偶然にも中学の修学旅行先が北海道であることが判明したコウは、彼らを追うべく、北海道目当てに不登校だった学校に久しぶりに登校。

そして舞台は北海道へ。

マヒルの毒母親が描写された直後に、対比するようにコウの放任主義の母親が登場。なるほどね、というのと、良い親子関係だね、というのと、

『よふかしのうた』14巻より(コトヤマ/小学館)

母ちゃん美人というかめっちゃサヤ師に似てんなw

コウ君の学校復帰ですけど、ナズナが「ちょっと寂しそう」までもいかない微妙な微妙な反応で、内心が読めません。

勝手にナズナの内心を慮れば、コウ君が昼の世界に復帰したら寂しいだろうなと思う反面、ちょっとホッとするところもあるのかなと思ったり。

『よふかしのうた』14巻より(コトヤマ/小学館)

だからこそ漫画なんですけど、「自分に恋に落ちて吸血鬼になる」ことによって今までの人生捨てる覚悟の男の子って、ぶっちゃけちょっと重いというか、ホラーですよね。

自分だったら、と考えたら、自分に人生捧げてくる相手と恋愛するのは無理です。

その反面(反面か?)、「昼の世界」から逃げるように自分を選ばれるよりも、「昼の世界」の選択肢もあった上で自分を選んで欲しい、とも思います。

『よふかしのうた』14巻より(コトヤマ/小学館)

さくら可愛いというか、この作者が描く女の子ホント可愛いな。

コウ君自身は「夜の世界」で気がつけば吸血鬼たちの輪の中心を経験したことで、どこか達観して前より中学生活を「こなせる」ようになっていますが、これを「精神的な成長」と呼んでいいものかどうか。

特殊な体験をした主人公が、学校という世界の狭さと退屈さ、クラスメイトたちの幼稚さに気がつく、もっと言ったら「外の世界」との繋がりをクラスメイトたちに見せつける展開、クラスメイトたちを見返す展開、というのは、やや病的な承認欲求やマウント欲を満たす上で定番ちゃ定番なんですけど。「厨二病」と名前がつくぐらいで。

『よふかしのうた』14巻より(コトヤマ/小学館)

コウ君が肩の力が抜けて自然体すぎて、「やや病的さ」が薄く、中学生らしい「イキリ」要素も見られず達観して見える点で、作品タイトルも相まって却って不健全なように見えてしまいますねw 大丈夫かこの子w

コウ君、別になんもしてないんですけど、大人っぽくなったなーというか、老成してるよなーというのが、クライメイトと絡むと際立ちます。

バトル描写を伴うシリアス展開ながら、プチ梁山泊のように集った仲間たちの日常が楽しい漫画、という意味で、最近読み始めた『ウィッチウォッチ』に読み味が似てる気もします。

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今巻も好きなセリフ、好きなカラミ、好きなシーンがたくさんあって、とても面白楽しく読みました。

これが縦軸のない純然たる日常ものだとまた読み味が違っちゃうのは、

「シリアス要素からの逃避中の娯楽ほど楽しい」

というか、

「勉強しなきゃいけないときに部屋を片付けてる途中で読む漫画めっちゃ面白くて止まらん現象」

みたいなもんなんでしょうか。

マヒルの母親と何を話したのか気になるのと、なんかデンジ君みたいな胡散臭いイケメン出てきたな。続き早よ読みてえな。

『ハコヅメ』と『かぐや様』終わってモーニングとヤンジャン買わなくなったし、これと『フリーレン』のためにサンデー買おかな、もう。

 

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