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#ルパン三世 異世界の姫君 5巻 評論(ネタバレ注意)

至宝「存在しない国の金貨」を盗みに入ったルパン三世一味は、盗みは首尾よく成功したものの、ICPO銭形警部の追跡を振り切るためにバラけたところで、それぞれが潜った扉を通じて中世ファンタジー異世界へ。

アイソプミア王国。

人間とエルフとドワーフの3つの種族による協定で成り立つ連合王国。しかし王宮は怪しげな魔女に壟断され、王国中を陰謀の影が覆っていた。

『ルパン三世 異世界の姫君』5巻より(モンキー・パンチ/エム・ピー・ワークス/内々けやき/佐伯庸介/秋田書店)

次元はドワーフの里で、五右衛門はエルフの森で、それぞれモンスターを退治するなどしつつ現地に馴染みつつ仲間との合流を目指し、亡命同然に家出し連れ戻される途中の王女を行きがかり上の都合で誘拐したルパンは、彼女の依頼で国盗りを目指すこととなった。

という、ルパン三世のお馴染みの一味が銭形ごと異世界ファンタジー世界に転移してしまうコミカライズ。

『ルパン三世 異世界の姫君』5巻より(モンキー・パンチ/エム・ピー・ワークス/内々けやき/佐伯庸介/秋田書店)

バラバラに転移したルパン・次元・五右衛門がそれぞれ旅の伴侶となったヒロイン(王女・エルフ美少女・ドワーフ美少女)を伴って合流、銭形警部もやってきて騎士団と共にルパンを追い、不二子は悪い魔法使いが牛耳る王宮に潜入して虎視眈々と漁夫の利を狙う、といつもの体制に。

物語のキーになりヒロインでもある王女が体制側である魔女に攫われ、ルパン一味が王女の奪還に王都に乗り込んで…というところ。

『ルパン三世 異世界の姫君』5巻より(モンキー・パンチ/エム・ピー・ワークス/内々けやき/佐伯庸介/秋田書店)

次元と五右衛門がそれぞれ曰く付きの強敵とのタイマンを制しつつ、ルパンと王女がたどり着いた玉座では、件の専横の魔女、そして王女の兄である王子との、三つ巴での睨み合いとなるが…

魔女の口から語られる、王国の歴史と魔女の秘密。

この作品の真のヒロイン、「生き残ってしまった魔女」の物語。

『ルパン三世 異世界の姫君』5巻より(モンキー・パンチ/エム・ピー・ワークス/内々けやき/佐伯庸介/秋田書店)

騙し絵のように、見え方がまったく変わって見えますね。

前巻に続き、『ルパン』である必要のない本作のオリジナル要素が荒ぶっていて良い感じ。

「異世界側」であるアイソプミア王国の物語がよく出来ていて、『ルパン』じゃなくても、『コナン』でも『しんちゃん』でも『ドラえもん』でも面白くなっただろうなと思います。

彼らと同じくルパン一行もまた、性格も行動様式もある意味固定されていて、作品に変化をつけるのは常にゲストキャラと舞台となる世界観の側ですしね。

この世界観の骨組みが魔女の過去と共に開示されて、あとは『コナン』でも『しんちゃん』でも『ドラえもん』でもない、『ルパン』らしい仕上げに期待したいところ。

『ルパン三世 異世界の姫君』5巻より(モンキー・パンチ/エム・ピー・ワークス/内々けやき/佐伯庸介/秋田書店)

『ルパン』らしさってのがまた、人によってというか、過去のフェイバリット作品によって、解釈の分かれるところではあるんですがw

 

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