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#スキップとローファー 1巻 評論(ネタバレ注意)

岩倉美津未(いわくら みつみ)、15歳。

「石川県のはしっこ」、学年8人の中学から、東大法学部卒・中央省庁官僚を経て地元の市長となる大志を抱いて、叔父の住む東京の「高偏差値高校」に進学。

『スキップとローファー』1巻より(高松美咲/講談社)

神童を自認し、順風満帆な学生生活に送るべく初登校するも、電車通学で迷子と人酔いで早くも頓挫。

主席として臨んだ入学式では睡眠不足と人酔いと緊張と遅刻回避ダッシュのため新入生代表スピーチの直後に会場の体育館の人前でゲロを吐き、クラスの自己紹介ではドヤ顔のジョークでスベる。

『スキップとローファー』1巻より(高松美咲/講談社)

同級生8人の中学とはまったく違う大都会・東京の高校の人間関係、クラスメイトたちの「珍妙な田舎者」という視線が突き刺さる、予定に反してあまり順風満帆とは言えない高校デビュー・東京デビューと、思われた、が。

という学園青春もの。

東京のクラスメイトたちは、イケメンやギャルを筆頭に思ったより優しい良い人たちだった…

『スキップとローファー』1巻より(高松美咲/講談社)

文字数を節約しようと思えば、

「カースト上位のポリコレ力高いイケメンとギャルに『面白れー女』として気に入られたいなかモンの妙ちきりん女子がスクールカーストを解体する(かもしれない)話」

と要約することも可能かもしれませんが、あんまりそういう手垢のついたチープな単語たちでこの作品を汚したくない、と思ってしまう、楽しくて優しい作品。

『スキップとローファー』1巻より(高松美咲/講談社)

東京デビュー・高校デビューで「ぼっち」や「陰キャ」になりそうなヒリヒリした局面を、周囲が助けてくれる。漫画の読み方は人それぞれで、読者によっては「ラッキーすぎる」「こんなに上手く行くはずがない」と拒絶されるケースもあるかもしれません。

作者は「アンラッキーで上手くいかない現実の写し絵」とは違う何かが描きたいようで、自分はそれをとても好ましく思いました。

『スキップとローファー』1巻より(高松美咲/講談社)

「楽しい日々が始まったよ」

「きっと素敵な高校生活が待ってるよ」

と、まるで誰かを励ましているかのようで、タイムスリップして高校生活をもう一度過ごすのも悪くないなあ、なんて思ってしまいます。

俺も美津未のクラスメイトになりたいわ。

もちろん、タイムスリップなんてできないんですけど。

『スキップとローファー』1巻より(高松美咲/講談社)

後追いで1巻を読んで、感想に書きたいことがたくさんある1巻ですが、既刊もたくさん出ていることですし、それはまあ、追い追いに。

肩の力を抜いて、楽しみながら読み進めたい漫画ですね。

 

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