#AQM

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#リコリス・リコイル リコレクト 1巻 評論(ネタバレ注意)

略して『リコリコリコ』。

『セーラー服と機関銃』の「カ・イ・カ・ン」なんか今更誰も思い出しもしねえ、昭和は遠くなりにけり、近未来(?)の日本。

孤児を集めて女子高生エージェント「リコリス」に仕立て上げ、凶悪犯を捕まえたり殺したりする公的機密機関「DA」。

DA本部のリコリス"たきな"は、現場で命令無視して凶悪犯に味方ごとライトマシンガンをぶっ放し、味方こそ無事だったものの犯人たちを全員射殺し、

『リコリス・リコイル』1巻より(備前やすのり/KADOKAWA)

(※この絵は本編コミカライズの方のワンシーンです)

左遷。

新たな配属先はDAの潜伏サイト、喫茶店「リコリコ」だった。

「リコリコ」先任の千束は「東京一のリコリス」と高名だったが、千束とバディを組むことになった たきな を待っていたのは、「町のなんでもお助け屋さん」の日々だった…

という美少女ガンアクション・ハードボイルド。

『リコリス・リコイル リコレクト』1巻より(阿部かなり/KADOKAWA)

『ガンスリ』や『デストロ』に『攻殻』と『シティーハンター』を混ぜて4で割って、最後に『ごちうさ』で仕上げた感じ。

自分はTVアニメを見そびれているうちにコミカライズの1巻を先に読んじゃいまして、

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コミカライズで気に入ったので、サブスクでTVアニメも全編観ました。

『リコリス・リコイル リコレクト』1巻より(阿部かなり/KADOKAWA)

可愛い女の子たちがカッコよく銃撃戦をしたり可愛く日常を過ごしたりするカッコかわよエンタメで、普通に楽しく全話視聴しました。

美少女も銃撃戦も好きなので。

細かいツッコミどころはそりゃどんな作品にもあるんですけど、あんま割りとどうでもいいかな、と。

『リコリス・リコイル リコレクト』1巻より(阿部かなり/KADOKAWA)

あんま割りとどうでもよくないツッコミどころについて一点だけ語ると、

「日本社会やDAの組織が抱える闇や問題や悪役(テロリストの生き残り)を、全部ぶん投げて終わった」

という批判を目にしましたけど、ヒーローの一人二人に社会の問題を背負わせるのはもうやめちゃって、「サバイブしてぶん投げて社会さようなら」って、自分はとても現代的で好きだな、と思います。

暗殺を旨とするリコリスが社会の問題を解決できるパターンって「すべての問題の元凶の黒幕・悪人を倒して終わり」しかないんですけど、今時「全能の神」みたいな悪役の存在も、それはそれで安く感じちゃう。

「主人公だから」で社会の矛盾や地球の存亡に責任を負う主人公って「余裕あんだな」って感じで逆に感情移入を阻害しちゃって、近年は自分勝手というよりは「自分の人生をサバイブする」個人的な理由で闘う主人公の作品、

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増えましたよね。

さて、そんな本編の日常スピンオフです。

『リコリス・リコイル リコレクト』1巻より(阿部かなり/KADOKAWA)

ドヤ顔たきな可愛いな。

本編を必要もないのに吉野家の牛丼に喩えると、シリアスパートや銃撃戦が牛肉で、日常パートが白ごはん、キャラたちが汁(ツユ)みたいなもんで、本作は「肉抜き汁だくご飯」みたいな、コレステロール抑えめでヘルシーながら旨みたっぷりな仕上がり。

牛丼の喩え、却ってわかりにくいな。やめよう。

バトルものの「キャラ日常もの」需要は昔からあって、二次創作で供給されてきたんですけど、最近は「公式でやっちゃうのが手っ取り早い」ってのが増えました。

『リコリス・リコイル リコレクト』1巻より(阿部かなり/KADOKAWA)

極北が『ウィッチウォッチ』というか。

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画の雰囲気も申し分なし、ギャグコメディとしてのパンチこそ弱いものの、好きなキャラたちのまったりほっこり癒し系日常ものとして、こちらも楽しい仕上がり。

キャラ人気作品なんで、キャラ解釈とか百合要素解釈とかがブレると炎上しかねない、意外と繊細なチューニングが必要なジャンルですけど、踏み外すでもなく。

まあ言ったらファンアイテムなんですけど、自分もニワカながらファンですし?

『リコリス・リコイル リコレクト』1巻より(阿部かなり/KADOKAWA)

水着回もあるよ!

『リコリコ』関連はどれも質が高いわアンソロジーも多いわで、気合い入ってんね。

2期やんねーかな。

 

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