この『幼女戦記』コミカライズの11巻でこういうシーンがあって、
別に演出として『FSS』の専売特許でもないですけど、『FSS』リブート4巻のこのシーンまんまだな、
と思ってたんですけど、
「アイシャ様テロルミラージュ状態」って、「使えんっ!」のことかw
作画の東條先生もやっぱ『FSS』のあのシーン好きで、11巻はそのオマージュだったんだな。
胸熱だし、戦争エンタメ描くなら一度はやっときたいよなあ、このシチュエーション。
俺も漫画家になって戦争漫画描いたら、絶対描くわw
サラリーマンがリストラ逆恨みで殺されて成仏の際に神に反抗した罰で、近代欧州っぽい異世界、WW1前のドイツそっくりな帝国の魔導師の素質持ちの女児に転生。
戦勝と栄達と安穏な後方勤務を夢見つつ、少佐の階級、エース・オブ・エース「白銀」「ラインの悪魔」の二つ名、第二〇三遊撃航空魔導大隊大隊長として、戦場の空を支配する主人公ターニャ・デグレチャフ11歳。あれ12歳になったっけ?
ここ、いいシーンだな。「光の剣」は、そうだったのか。
南方(擬アフリカ)大陸編が決着、帝都ベルン(擬ベルリン)に凱旋するターニャたちを待っていたのは恩給と休暇ではなく、部下の昇進と新たな作戦、帝国(擬ドイツ)東方に国境を接するルーシー連邦(擬ソビエト連邦)に対する偵察侵入。ターニャたちがルーシー連邦へ侵入を果たしたまさにその時、ルーシー連邦は帝国に対する宣戦を布告した…
北のレガドニア、西のフランソワ、南の南方大陸ときて、お次は東のルーシー連邦。
シレッとガノタじゃねえかw
言わずもがなにソビエト連邦をモデルにした国家で、ラノベ原作で当然図ったわけでもないのに、現実でウクライナとロシアの間で戦争が始まったタイミングで、コミカライズがこのエピソードに入っちゃうという。
もう一人の「神に選ばれし者」、神々の連携ミスで偶然"恩寵"が三重にかかってしまった敵方の少女メアリー・スーにより、帝国が誇る最強の魔導師の一角「吟遊詩人」が前巻で倒されその衝撃が世界に拡がり、ターニャはこの失地を回復するために、ルーシー連邦首都・モスコーへの苛烈な襲撃の決意を新たにする。
共産主義の教義により魔導師を異端として排斥してスカスカなモスコーの空を、ターニャ率いる帝国軍第二〇三航空魔導大隊が単独で高速浸透し蹂躙する。
ソ連がモチーフのルーシー連邦の深掘り巻。
さくsyターニャお前、どんだけ共産主義嫌いなんだっていうw
共産主義が航空魔導師を異端として排斥しているため配備がない、というのは、ニュータイプとして覚醒したアムロ・レイを幽閉しガンダムを核兵器以上の危険物として封印した地球連邦の歴史に重なるものがあって、その本質は
「革新的な才能に対して権力者の怖れ」
で、今巻ルーシー連邦共産党のジュガシヴィリ書記長の描写がそのまま体現しています。
臆病ゆえに陰謀・粛清・侵略などの他者への攻撃によって権力を得た権力者は、その臆病と過程ゆえに他者に対しても疑心暗鬼になり、権力を維持し保身を図ることそのものが自己目的化し腐敗する、
という強烈な描写。
「因果応報世界観」とでもいうか。
そいで幹部に変態犯罪者を飼っているというねw
主義思想が権力者の保身のための鎧として機能し、そのおこぼれに預かる幹部が変態犯罪者、というのは、原作からコミカライズのタイムラグがあるにも関わらず
「最近どっかで聞いたような話だなあ」
という気も。
原作が普遍性ゆえに予言となってしまったのか、コミカライズのアレンジなのか、自分は原作未読なので知りませんが、揶揄・風刺されている対象の心当たりが多すぎて、どこの誰を揶揄してんのか逆にわかんねえよw
aqm.hatenablog.jp