京都の老舗の和菓子屋の実家にバンドの夢を諦めて?帰ってきた跡継ぎ息子・和(なごむ)と、実家が事情あって預かってる小学生の女の子・一果(いつか)を軸にした和菓子屋さんの日常もの。
元カノや片想いの女子高生や隠れ女装男子と「ハーレムものかよオイ」といいたくなる脇役たちに負けないツンデレ小学生のヒロイン力。
こないだ中学生になりました。
和菓子+父娘もの+職人+京都の四季+ラブコメ少々という感じ。
長く作品の縦軸だった一果の父親の謎や一果の身の振り方も2〜3巻前に一件落着しまして大きなテーマは消化して、現在は基本単話完結、味わいが深い平穏な日常モード。
今巻も日常モードというか、「日常の中のちょっとした出来事・事件」モードというか。
父親が実家と没交渉だった一果、初めて祖父母・叔父と会う。なお親族は初孫・初姪にメロメロの模様。「津の風」。
和の同窓会、恩師との再会。「山澄む」。
一果・佳乃子・咲季・和の秋物ショッピング。「秋果粧う」。
十五夜会がなぜかウサ耳へべれけ女子会に。「望月」。
小学校の「どろじゅん」大会に駆り出される中学生組。「秋晴れて僅か響く」。
気になるあの子に女装趣味がバレたかもしれない咲季。「萩の上風 萩の下露」。
メインヒロイン推し、という作風なわけではないですけど、一果の出番が多くて可愛くて眼福です。
こんな可愛い孫や姪ができたらそりゃ爺ちゃん婆ちゃんも叔父さんたちも嬉しいだろうなw
特に今巻に限った話ではたぶんないですが、一冊通じて「離れた縁が結び直される」お話が心なしか多かった印象があります。
秋の京都と、和菓子と、結び直される人と人のご縁。
美しい世界だな。
aqm.hatenablog.jp