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#ウマ娘 プリティーダービー #うまむすめし 1巻 評論(ネタバレ注意)

実在の競走馬を美少女擬人化した育成ソシャゲ『ウマ娘』の派生コミカライズ。

タイトルのとおり「ウマ娘×ごはん(グルメ)」の日常もの。単話ごとにエピソード主人公が替わっていくオムニバス形式。

『ウマ娘 プリティーダービー うまむすめし』1巻より(浅草九十九/Cygames/小学館)

ここでも「先頭の景色は譲らない」のか、サイレンススズカ(とスペシャルウィーク)のエピソードからスタート。

漫画に限らず「グルメ」というのは人気ジャンルで、

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美味しそうな食事と、それを美味しそうに食べる人、というのはなにかこう、心が癒されるものがありますね。

漫画においては「グルメ」そのもののジャンル以外に、「人気作品のグルメスピンオフ」というサブジャンルがあって、それぞれ元作品の特性を活かして、アイドルが飲んだくれたり、

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架空の食材を魔法で調理して架空の料理を作って食べたり、

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マズそうなミリ飯をマズそうに食ったりしつつ、

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愛すべきキャラたちのほのぼの可愛らしい日常が垣間見える、まあ公式(商業)二次創作。

「グルメもの」と「学園もの」は人気作品の公式スピンオフの定番です。

『ウマ娘』は公式・非公式問わず二次創作が多く、また大食いキャラが多いせいで食事にまつわるエピソードがもともと多いせいで、タイトルに『うまむすめし』とついてなかったら、1エピソード読んだぐらいじゃグルメ・スピンオフだと気が付かないかもしれません。

『ウマ娘 プリティーダービー うまむすめし』1巻より(浅草九十九/Cygames/小学館)

斜め上からのカメラアングル、上手いよなこの人。

話すと話が更に長くなるので結論を言うと、

「一読者としてウマ娘のファンアイテムの公式グルメスピンオフに求めること」

は、ぶっちゃけ

・ウマ娘たちを可愛く描くこと

・(世界観やキャラ属性を壊すような)余計なことをしないこと

です。

ファンアイテムとして買って読む側としては

「過激な作家性や独特すぎる尖ったオリジナリティの発露は、公式の看板背負ってない同人誌や、自分のオリジナル作品でやってください」

という感じで、人気を確立した作品の公式スピンオフというのは、制約が多いというか、読者の要求するストライクゾーンが意外と狭いです。

高めに外れる豪速球も、ワンバウンドするほど落ちる変化球も、「公式で」投げられるのは嫌いです。

一般的に美少女ものはファンの可燃性も高いし、『ウマ娘』自体もともと制約多いですしね。

『ウマ娘 プリティーダービー うまむすめし』1巻より(浅草九十九/Cygames/小学館)

そういう意味でこのコミカライズは文句のつけようがありません。

深いキャラ理解が支えるクオリティの高い画面、超当たり作画。ハイレベルでプロフェッショナルな「普通」。

強いて注文をつけるとすれば、「ネイチャの出番を増やして欲しい」ぐらい。

『ウマ娘』ファン以外から見たら毒にも薬にもならないような他愛のない漫画なんですけど、毒にも薬にもならないような他愛のない『ウマ娘』の漫画をお金を払って読んで癒されたい読者というのは居て、例えば私です。

『ウマ娘 プリティーダービー うまむすめし』1巻より(浅草九十九/Cygames/小学館)

大事に預かったウマ娘たちを丁寧に、とてもキュートに活き活きと描かれる漫画家さんで、これまでのキャリアはAmazonで見る限り角川系でラノベのコミカライズが中心。

作画専業志向なんかしらん?過去の著作もちょっと読んでみようかな。

作家さんのキャリアに関わることなので迂闊に差し出がましいことを言うのは大変チョベリバですが、この絵でぜひオリジナル新作や「『ウマ娘』の他のスピンオフ」も読んでみたいなー…

なーんて言ってみるテスト。

『ウマ娘 プリティーダービー うまむすめし』1巻より(浅草九十九/Cygames/小学館)

ウマ娘の造形だけじゃなくて、それぞれ個性を捉えた良い表情を描かれますよね。

 

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