AKB的なグループで総選挙13位ながら握手会でファンに「キモチワルイ」つって炎上、追放されるように卒業した元アイドル、無表情クールで人嫌いの愛。
すみれの花咲く頃、宝塚的な歌劇団に付属する養成機関・音楽学校への入学を果たし、そこで出会ったのは長身と強い体幹を持ち天然で天真爛漫で天才肌の少女・さらさ。
10代半ばで人生を自分の意思で歌劇に投じた"強い"女の子たちの、清く正しく美しく、熱くてシビアな楽しい青春。
さらさたち100期生も最終学年である本科生(2年生)となり、新入生(予科生)の101期生も入学し、迎えた二度目の夏。
昨年と同じく、さらさと愛は揃って東京に帰省し、最後の夏休みも共に過ごすが…
ということで夏休みの実家編、再び。
前巻でさらさの母親もついに登場。
この後の母親のリアクション、今まで見た中で最低で爆笑してしまったw
さらさのルーツを巡るエピソード、ネタバレしちゃうとまあ、爽やかに「先延ばし」なんですが、不穏で確実に爆発する伏線も仕込まれて、もう一波乱ありそう。
読んでて類推される背景を考えると、何も知らされていない子どもの側のさらさの「お父さん」と呼んではいけない理由は、大人の側の「お父さん」と名乗ってはいけない理由、
そこまで隠すほどの、自分達の思春期の娘がモヤモヤを抱えさせたまま大人にならなければないらないほどの、現に今後スキャンダルに巻き込んで傷つけてしまわなきゃならないほどの、大した話か?と思わなくはないです。
正直、さらさの父親も母親も実績と名声ばかりが強調されて、肝心の才能を人生に捧げた仕事の中身が描かれないだけに、「良い話」風の雰囲気を纏ってるだけで中身が空っぽな、ややもすればただ保身に見えなくもありません。
さらさがそう実感したとおり、二人ともさらさを愛しているのは間違いないんですが。
前巻なかった番外編、今巻は101期生でさらさのメンティーの澄栖 杏。
クール無愛想な王子様系女子の過去話。
杏もさることながら、彼女を導いた大木先生がかっこよくて良いですねw
こんなあからさまな「メガネを取ったら…」、久しぶりに見たわw
さて。
本作は宝塚歌劇をモデルにしつつもフィクション漫画なので、現在宝塚歌劇にまつわるスキャンダルというか醜聞について、その実態に対するドキュメンタリズムや改善案や解決策を求めるのは筋違いというものでしょう。
自分も宝塚歌劇に詳しいわけでもないので、特に偉そうなことを言えるわけでもありません。
が、経営・運営・演者・ファン含めて関わるみなさんは、宝塚歌劇を好きになったきっかけや抱いた夢を杏のように思い出して、初心を忘れないでいていただきたいなと思います。
他人もまた同じようなきっかけや夢を歌劇に抱いていて、それは別の誰かが壊してはいけないものなんだという、ということを。
余計なお世話な上に、やっぱり何か、偉そうですね。
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