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#め組の大吾 救国のオレンジ 8巻 評論(ネタバレ注意)

1995〜1999年に週刊少年サンデーで連載され小学館漫画賞・文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞するなどして大好評を博した往年の名作「め組の大吾」の、同作者による続編。

今作は掲載誌というか出版社まで移って、週刊少年サンデー(小学館)から月刊少年マガジン(講談社)に。

『め組の大吾 救国のオレンジ』8巻より(曽田正人/講談社)

旧作の主人公は「朝比奈大吾」でしたが、今作の主人公は「大吾」違い。

個人の才能だけではなく、尖った才能を規律・規範を超えて臨機応変に受容・許容できる組織論的な話に。なるんかしらん。

現場の発生と「ゴーストレスキュー」の登場、なによりオリジナル「朝比奈大吾」の再登場により、読者の興味がどっかに吹っ飛んでしまった「消防救助技術大会」はあっさり終了。

『め組の大吾 救国のオレンジ』8巻より(曽田正人/講談社)

過酷な現場の描写と、その幕間パートでのキャラの掘り下げ・甘粕たち消防上層部が抱える謎のチラ見せ、を交互にという展開が定番化してきました。

謎が謎を呼ぶ展開は、結論をわかってる作者に焦れて「こんなもん作者の自己満足じゃねえか」と思うことも正直多いんですけど、この作品の焦らし方は嫌いじゃないと言うか、スリリングで楽しいですね。

『め組の大吾 救国のオレンジ』8巻より(曽田正人/講談社)

ファンタジスタや。

続編効果というか、「Zガンダムのシャアとアムロ」効果というか、「読者への嬉しいご褒美」が効いてんですかね。

前巻末の予告で「第一部 終了編」とのとおり「第一部 終了編」ですが、今巻でエピソード完結せず、次巻に続きました。

結構エピソードぶった斬りで今巻が終わって「次巻に続く」的な表記もなかったので、

「電子書籍のダウンロードエラーで一時的な落丁が起こったのかな?」

って思ってしまいましたw

『め組の大吾 救国のオレンジ』8巻より(曽田正人/講談社)

「描き急いでる」とは言いませんが、物語を描くというよりは、第二部以降に必要なキャラたちを見せ場を伴って登場させ、駒を揃えて物語を動かす陣容を充実させるダイジェスト感を感じなくもないです。

あのアレ、『ドラクエ4』の1〜4章あるじゃないですか。ライアンとかトルネコとか、5章(本編)で勇者の仲間になるキャラたちの紹介エピソード的な。

「第一部」あの1〜4章な感じ。

『め組の大吾 救国のオレンジ』8巻より(曽田正人/講談社)

あと改めて、この作者が「美女を描くぞ」と決めて描く美女は、誰が描く絵とも違って、それでいてすごい美しいですね。

一貫して「自分の限界を追い求める天才」を描き続けることが芸風で、その凄みのある演出が特長な漫画家ですが、実は一番の強みは

「美女・美少女をとても美しく可愛く描けることなんじゃないか」

とふと思ったりします。

『め組の大吾 救国のオレンジ』8巻より(曽田正人/講談社)

松本零士のメーテル級じゃない? 永田先生の美人ぶり。もっと美人画をたくさん描いて欲しい。

それだけでに、そのおかげで今作を読めているとはいえ、返す返す美少女女子高生を主人公に天才の凄みの描写と美少女の可憐さの描写が両立されていた、

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『Change!』が打ち切りに終わったことが改めて残念でならない。

 

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