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#それでも歩は寄せてくる 16巻 評論(ネタバレ注意)

2人しかいない将棋部の、おさげデコ部長・八乙女うるし(高2♀)と、好き丸出しのくせに頑として認めない無表情部員・田中歩(高1♂)の、告白前の高校生男女が好き丸出しで部室で将棋指しながら甘酸っぱくイチャイチャしてる、可愛いは正義のショートラブコメ。

『それでも歩は寄せてくる』16巻より(山本崇一朗/講談社)

歩は一応、将棋でうるしに勝ったら告白しようと思ってるみたいです。

マスターランクの絵力(えぢから)とシンプルで力強いセリフ力(せりふぢから)を活かした、ラブコメの王道、正攻法。

日常ラブコメですけど時間が流れる系で、うるしが3年生に、歩が2年生に。歩に中学時代以来の片想いをする新1年生の後輩ちゃんも入部。

『それでも歩は寄せてくる』16巻より(山本崇一朗/講談社)

仲間が増えた将棋部の冬、うるしは高校3年生で受験勉強で将棋部は引退…ではないですけど身を引き気味に。

うるし、高校3年の1月、共通テスト、バレンタイン、二次試験。高校生活も残りわずか。

巻末予告によると、次巻17巻で完結とのことです。

『それでも歩は寄せてくる』16巻より(山本崇一朗/講談社)

うるしに平手(ハンデなし)で勝ったら告白するつもりの歩の棋力の成長は「間に合う」のか。

そしてそんな歩を見守り支えつつ想いを寄せる、凛ちゃんは…

受験とバレンタインを挟んだ日常エピソードを交えつつ、サブヒロイン・凛ちゃんの最後の勝負駆け。

『それでも歩は寄せてくる』16巻より(山本崇一朗/講談社)

別作品についての記事ですし、ちょっとブログの日付的に時空が歪んだ話ですが、先日こんなのを書きまして、

aqm.hatenablog.jp

その中で「メインヒロインを喰ったサブヒロインの系譜」を少し振り返りました。

凛ちゃん、(自分の中の「読者人気」という意味で)うるしを喰いかけていたんですが、

「1年遅かった」

「時間が短かった」

という気もする反面、

「どれだけ時間があっても歩の気持ちは変わらなかった」

という気もします。

『それでも歩は寄せてくる』16巻より(山本崇一朗/講談社)

仮定の話で、詮ないことです。

でも歴代の「メインヒロインを喰ったサブヒロイン」に劣らない、途中ちょっと「この漫画、大丈夫かな」と少し心配になるレベルで、強力に魅力的なサブヒロインでした。

さっきのとは別にこんな記事で、

aqm.hatenablog.jp

こんなことを書いたんですが、

大河系やハードボイルド系の作品で

「死に様は生き様を映す鑑(かがみ)」

のようなことがよく言われますが、それに倣えば

「失恋の涙は片想いの恋の思いの丈を映す鑑」

とでも言うか。

凛ちゃんは、その名のとおり凛としたまま、最後まで泣きませんでした。

泣いた方が偉いとか、泣かない方が偉いとか、そんな話ではないですが、凛ちゃんらしかったし、かっこよかった。

『それでも歩は寄せてくる』16巻より(山本崇一朗/講談社)

次巻、歩、勝てよテメー。

 

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