週刊少年ジャンプ、本誌連載の青春恋愛漫画。
中高一貫校、バドミントン部の1年のホープ・大喜(♂)と、同じ体育館で練習する女子バスケ部の2年で学校のアイドルで大喜の憧れである千夏先輩(♀)。
部活違い・学年違いながら、早朝自主練で千夏先輩と言葉を交わすようになった大喜が、ある朝自宅で目覚めてリビングに降りると、そこには千夏先輩の姿が!
千夏先輩は親の海外転勤に際してもバスケの夢を諦められず、バスケ部OG同士の母親同士のツテで大喜の家に下宿することになった。
という同居設定の青春恋愛もの。コメディ要素ももちろんありますが、成分比的にラブコメ作品じゃないですね。青春恋愛もの。
千夏先輩のバスケにかける覚悟を知った大喜は、彼女にふさわしい男になるべく、自分もバドミントンでインターハイ出場を目指すことに。
新体操部の期待のホープで大喜の幼馴染で片想い中のサブヒロイン・雛を交えた片想い三角関係。王道のメロさ。
図にするとこうなる。
雛→(好き)→大喜→(好き)→千夏先輩
要るか、この図?
前巻が青春恋愛漫画の華、告白巻・くっつき巻。
スポーツと恋愛が同時進行の作品なので、盛り上がりはインターハイと告白・くっつきを同時に、なのかなと思ってたんですけど、先に来ましたね。
今巻はその余波、後始末、二人の距離とこれからについて、という巻。
恋愛・ラブコメ漫画の「くっついた後」というのは昔は割りと鬼門、というより「くっついたら最終回」がお作法でしたが、近年は「くっついた後」を描く作品も増えました。
増えた分、「くっついた後」の描き方・描かれ方の良い見本・悪い見本のサンプルのバリエーションも増えました。
連載漫画の難しいところは「作家の描きたいこと」と「面白さこと」に加えて、「売れること」を両立しなければ作品が続かないことですが、「研究が進んだ」と言っても良いかもしれません。
それでもまあ、恋愛・ラブコメの「一番おいしいところ」が「未満恋愛」「くっつきかけ」なのは変わらないですけど。
現在のヒット作でも「くっついた後」で苦戦してる恋愛ラブコメ漫画は少なくないです。
本作は最初から軸が「恋愛」と「スポーツ」の2つあったことで、「くっついた後」に描くべきことがまだたくさん残されているんですが、読んでて、
「大喜と千夏先輩がそれぞれインターハイで自分が納得できる活躍ができること」
と
「大喜と千夏先輩が恋人としてうまくいくこと」
のどちらか一つだけ選べ、と言われたらなかなか難しいというか、自分はスポーツ面の成功を願ってしまうなーという。
もちろん、両方うまくいくのが理想だし、そこに向かう作品なんですが。
ハーレムものが隆盛した経緯もあって、こういう漫画は久しぶりだな、いつ以来かなと思うと、あだち充の『ラフ』だなあ、と思いました。
いずれも全国大会レベルの男女の恋愛ものですが、『タッチ』またちょっとニュアンス違いますよね。
そうかー、『ラフ』の後継の文脈なのかー、と今巻を読んでていて思い至って、何か得心がいったというか、この漫画の自分なりの読み方がわかった気がしました。
とか思って、「『アオのハコ』に『ラフ』を重ねてる人っているんかしらん?」と思ってググったら、
www.google.com
自分の過去記事が出てきてびっくりしました。
aqm.hatenablog.jp
自分で1〜3巻や7巻の感想で既に同じこと書いてたことをすっかり忘れてました。
まあ、同じ脳みそが考えて書いたら、同じようなこと書くよね…2年前の俺、えらいなあ…
しかし、こんっなに自分で書いたこと忘れるもんかね…「この漫画の自分なりの読み方がわかった気がしました」とか書いちゃったよ…何回わかった気がするんだよ俺…
あとは雛ちゃんがショックを受けて、それから立ち直るまで、が描かれましたけど、大喜の親友のメガネ、良いこと言うよな。
恋愛漫画だけど青春漫画でもあって、「恋愛至上主義」から降りてる視線があるの、良いですよね。
大喜と千夏先輩の関係が一旦落ち着きつつスポーツ面に集中する分、恋愛面では今後は、雛ちゃんとメガネとツインテジャーマネの三角関係?に比重が置かれるっぽい予感がしますね。
aqm.hatenablog.jp
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