ボロアパートで暮らすヤニねこは猫耳で美少女だったが、ぐーたらでだらしなくて下品で臭くて汚いヤニカスだった。
そんな彼女の、ぐうたらでだらしなくて下品で臭くて汚くて可愛くてちょっとエロい日常。
という、Twitter発のショート漫画。
かつて自虐・他虐のための蔑称だった「おたく」や「腐女子」がそうなったように、「クズ」という自虐・他虐のための蔑称が
「(愛称としての)自称・他称」
として特にネット界隈でカジュアルになりつつあるような気がするんですが、それを象徴するような漫画。
ルックスがおっさんだったらたぶん売り物になりませんが、ちょいエロ猫耳美少女であることで商品になったというか、
「見た目さえ美少女であれば、どこまで許されるか」
という「おっさんの美少女(※ケモナー)擬人化」の実験みたいな。
受け入れられているのは、ルックスの愛らしさ故なのか、自分の内なるクズ性の共感なのか。
「マイルドなノワール」というか、ある種のクズ文学というか、原義の意味での「カタルシス」というか。クズと文学は昔から相性良いですしね。
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ヤニカスあるあるネタだけで漫画が3巻も描けるはずもなく、「ヤニカスあるある漫画」としては正直ネタ切れ感を感じますが、じゃあ代わりに何で埋めていくかというと
「ヤニカス以上のクズ要素」で、なんというか内容のひどさ・クズさ、漫画としてのユルさ・投げやりさに更に磨きがかかっていきます。
ひどさの限界突破めざしてんのかっていうw
巻末には有名漫画家たちの『ヤニねこ』オムニバス1ページ集も収録。
こう、作家を
「自分だったらこんなクズを描いてみたい!」
と惹きつけるものがあるのか、「言われて描きました」感がなくて嬉々と躍動して描いてる感じがしますw
『僕やば』作者・桜井のりおの『ヤニねこ』、サイテーすぎて笑うw
あと、ギャグ要素・コメディ要素でもなんでもない、ヤニにまつわる「ふ」とした風情の描写にちょいちょいコマ・ページを割かれてるんですけど、
夜のドライブ、無言の静寂、ラジオから聴こえてくる知らない歌、窓から流れていく煙。
これが実に風情があっていいんですよね。俺も一本吸おう。
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