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#デスサイズキューティー 1巻 評論(ネタバレ注意)

佐藤聡子、妙齢、メガネ、スタイルよし。

出会い系アプリで結婚詐欺に遭い、会社の金を横領。

その会社がヤクザのフロント企業だったため、いきなり絶体絶命。

ヤクザが提示した、助命と借金帳消しの条件は、ある小学生女子と同居することだった。

『デスサイズキューティー』1巻より(玉置勉強/小学館)

リルハ、女子小学生相当ながら、たぶん小学校には通っていない。

孤児、政府系の暗殺機関の養成所育ち、凄腕の殺し屋「デスサイズキューティ」。

育ちが原因で情緒や社会常識が未発達なせいで社会性に欠け、「壊し屋」任務しかできないことを憂いた機関が、情操教育を画策。

公安系のヤクザ組織系列のラインで、同居してくれる女が募集された。

かくして、借金持ちの聡子と、凄腕殺し屋小学生・リルハの同居がマッチングされた。

『デスサイズキューティー』1巻より(玉置勉強/小学館)

という、玉置勉強の新作は美少女殺し屋を軸とした、おねロリ同居殺し屋バディもの。

殺し屋ものも、美少女殺し屋者も、殺し屋の情操教育ものも、流行りというかもはや「令和の王道」感があります。

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これまで流行や王道と一線を画したい意図が見え隠れしてきたこの作者らしくない、とも言えますし、それだけに「どんな手を使っても世界にコレを読ませたい」と、期するものがあるようにも感じます。

あと前作『突発的クリエイトファミリー』と連続して、「(同性の)大人と子どもの同居もの」ですね。

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この辺もたまたまなのか、描きたい興味がそっちに寄って行ってるのか。

「ガンアクションを描ける漫画家だったっけ?」

と思いましたが、「リアルと漫画的ファンタジーの狭間」な匙加減で、アクションシーン、かっこいいわw

『デスサイズキューティー』1巻より(玉置勉強/小学館)

銃器のチョイスも実用的で武骨なグロック系かな?渋くてよい。

政府系の暗殺者養成機関・美少女殺し屋・情操教育・社会復帰?と、今どき珍しくもない初期設定。

他の殺し屋漫画と差別化するのは、この作者のもともとの持ち味でしょう。

「どん底生活で見えない希望」、「退廃的な日常」、「別離」、それでも続いていく人生。

「殺し屋」というテーマにどことなくハマります。

『デスサイズキューティー』1巻より(玉置勉強/小学館)

描く女の子もセクシーで可愛いんですけど、どこかだらしなく退廃的で不健康で、なんというか「ダメ人間」「クズ」の描写が生々しいんですよね、この人w

あと登場人物の喫煙率がやたら高いのも好きです。

「殺し屋」ものの隆盛と併せて、「クズ・ダメ人間の持つ文学性と共感」も再評価されてる折り、ベタで王道ながら作者の「人生の哀愁」に寄り添った作家性にハマる、面白いテーマチョイス。

『デスサイズキューティー』1巻より(玉置勉強/小学館)

たまにはこの作家のちょっと長めの作品を読んでみたく思いますが、今回はどうでしょうか。続きが楽しみ。

 

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