#AQM

あ、今日読んだ漫画

#ヤニねこ 4巻 評論(ネタバレ注意)

ボロアパートで暮らすヤニねこは猫耳で美少女だったが、ぐーたらでだらしなくて下品で臭くて汚いヤニカスだった。

そんな彼女の、ぐうたらでだらしなくて下品で臭くて汚くて可愛くてちょっとエロい日常。

『ヤニねこ』4巻より(にゃんにゃんファクトリー/講談社)

という、Twitter発のショート漫画。

かつて自虐・他虐のための蔑称だった「おたく」や「腐女子」がそうなったように、「クズ」という自虐・他虐のための蔑称が

「(愛称としての)自称・他称」

として特にネット界隈でカジュアルになりつつあるような気がするんですが、それを象徴するような漫画。

ルックスがおっさんだったらたぶん売り物になりませんが、ちょいエロ猫耳美少女であることで商品になったというか、

『ヤニねこ』4巻より(にゃんにゃんファクトリー/講談社)

「見た目さえ美少女であれば、どこまで許されるか」

という「おっさんの美少女(※ケモナー)擬人化」の実験みたいな。

今巻末に『ヤニおじ』という、まさに「売り物にならない」番外編がw

受け入れられているのは、ルックスの愛らしさ故なのか、自分の内なるクズ性の共感なのか。

『ヤニねこ』4巻より(にゃんにゃんファクトリー/講談社)

「マイルドなノワール」というか、ある種のクズ文学というか、原義の意味での「カタルシス」というか。クズと文学は昔から相性良いですしね。

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今に始まったことではないですが、「ヤニカス」ネタ以外のクズネタ要素として、うんこネタ・おならネタ・ちんこネタ・火事ネタ多いな今巻www

『ヤニねこ』4巻より(にゃんにゃんファクトリー/講談社)

昨今(昔からか)は漫画などのフィクション・コンテンツのキャラにもある種の倫理観が求められて、作品の展開やキャラの言動が原因でSNSなどで炎上する光景も度々見られますが、どのページをめくってもありとあらゆる「倫理観の欠如」が展開されていてある意味、清々しい。

「清々しい」とは。

『ヤニねこ』4巻より(にゃんにゃんファクトリー/講談社)

巻末には恒例の、ゲスト漫画家による1ページ漫画寄稿コーナーも収録。今巻は『高木さん』の山本崇一郎も寄稿。

漫画家の先生たち、『ヤニねこ』好きだよね。

『高木さん』とか「からかい上手」なヒロインがヤな感じにならないように結構繊細に気を遣っていたような気がしていて、ヒロインへの期待値の違いというか欠如というか、『ヤニねこ』みたいなある程度広い範囲でのやりたい放題って、ちょっと羨ましいだろうなあ。

『ヤニねこ』4巻より(にゃんにゃんファクトリー/講談社)

ヤニねこがたまにちょっとピュアな面を覗かせるとギャップで読者が「ヤニねこ、かわよ」ってなるの、読んでて腹が立ったりしないんだろうかw

 

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