
陽キャでギャルな女子高生・大沢あやは、しかし洋楽ロックバンド趣味が周囲の友人とは合わず、音楽は独りで聴くことにしていた。

『気になってる人が男じゃなかった』2巻より(新井すみこ/KADOKAWA)
ある日の帰り道、あやが立ち寄った新しいCDショップのバイトのお兄さんは、細くてスタイル良くて黒ずくめのパーカーとマスクで音楽のセンスも良いイケメンで、あやの運命の「推し」になった。
あやの運命の「推し」のお兄さんは、洋楽好きでユニセックスなファッションが好きで叔父のCDショップでバイトをしている、実は学校であやの隣の席の陰キャでメガネで目立たず過ごしている女子高生・古賀みつきだった。

『気になってる人が男じゃなかった』2巻より(新井すみこ/KADOKAWA)
みつきは、隣の席の陽キャギャルの片想い相手がバイト時の自分であることに早々に気づいたが、自分の「正体」をあやに打ち明けられずにいた…
という、どこか孤独を抱えた二人の「ガール・ミーツ・ボーイ(ガール)」から始まる、青春マスカレード百合(?)コメ漫画。
「マスカレード」は、「片方もしくは両方が正体を隠して恋をする話」を意味する、自分の造語(?)です。
あと、「百合」かどうかはあなたのハートに訊いて各自、自分で好きなように決めてね!

『気になってる人が男じゃなかった』2巻より(新井すみこ/KADOKAWA)
ということで、男装(?)少女の変身かっこよさ感、恋するギャルの可愛い感、未満百合のドキドキ感、マスカレードなニヤニヤ感とドキドキ感など、いろいろ尊くてTwitterで話題になって、単行本化。
絵も作品テーマにマッチしてどこか静かなのにどこか華やかで、ラブリー。
自分はkindleで読んでてキミドリ色の画面が印象的ですけど、これ紙書籍もキミドリ色なんかな。

『気になってる人が男じゃなかった』2巻より(新井すみこ/KADOKAWA)
バズありきのTwitter発の漫画は構成というか構想の「背骨が薄」くて連載長期化に耐えられない作品が前は多かったんですけど、最近はこなれたというかライク・ア・ローリングストーンというか、どう転がっていくのかわからないライブ感を逆手にとった、面白い漫画が増えてきたように思います。
とはいえ。
メタ情報がノイズになっているのか、
「萌えシチュだけ考えてバズって、オチを考えていなかった」
故の迷走を幻視してしまう気もします。
反面、
「走りながら考えている」
ライブ感もw

『気になってる人が男じゃなかった』2巻より(新井すみこ/KADOKAWA)
最初からエンディングが決まってたらごめんなさいw
作中、割りとあっさり高3に進級、卒業後の進路が気になる時期に。
スマッシュヒットの割りに引き伸ばしするつもりはないんだな、とも。
・百合未満恋愛の話
・「好きを貫く」話
・もしかしたら「音楽に選ばれた人」に恋した少女の話?
それもこれもひっくるめて、「青春の話」と言ってしまえば、それはそうなんですが。
漫画における過渡期でもあるのかな。
安易に「くっついちゃえよ」と、言っていい軽さ、言ってはいけない重さ、は、作家によってもキャラによっても、違いますしね。

『気になってる人が男じゃなかった』2巻より(新井すみこ/KADOKAWA)
なんだろ、フィクションとはいえ、他人のセクシャリティの在り方に、野次馬がヤジを飛ばすべきでは、口に出すべきではない、というか。
一般論として「百合」を期待される作品で、読者が内心で「百合」を期待するのもある意味当然なんですけど、その関係にラベルを貼る資格があるのは、まあ自分ではないだろう、と。
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