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#気になってる人が男じゃなかった 1巻 評論(ネタバレ注意)

陽キャでギャルな女子高生・大沢あやは、しかし洋楽ロックバンド趣味が周囲の友人とは合わず、音楽は独りで聴くことにしていた。

『気になってる人が男じゃなかった』1巻より(新井すみこ/KADOKAWA)

ある日の帰り道、あやが立ち寄った新しいCDショップのバイトのお兄さんは、細くてスタイル良くて黒ずくめのパーカーとマスクで音楽のセンスも良いイケメンで、あやの運命の「推し」になった。

あやの運命の「推し」のお兄さんは、洋楽好きでユニセックスなファッションが好きで叔父のCDショップでバイトをしている、実は学校であやの隣の席の陰キャでメガネで目立たず過ごしている女子高生・古賀みつきだった。

『気になってる人が男じゃなかった』1巻より(新井すみこ/KADOKAWA)

みつきは、隣の席の陽キャギャルの片想い相手がバイト時の自分であることに早々に気づいたが、自分の「正体」をあやに打ち明けられずにいた…

という、どこか孤独を抱えた二人の「ガール・ミーツ・ボーイ(ガール)」から始まる、青春マスカレード百合(?)コメ漫画。

「マスカレード」は、「片方もしくは両方が正体を隠して恋をする話」を意味する、

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自分の造語(?)です。

あと、「百合」かどうかはあなたのハートに訊いて各自、自分で好きなように決めてね!

『気になってる人が男じゃなかった』1巻より(新井すみこ/KADOKAWA)

ということで、男装(?)少女の変身かっこよさ感、恋するギャルの可愛い感、未満百合のドキドキ感、マスカレードなニヤニヤ感とドキドキ感など、いろいろ尊くてTwitterで話題になって、単行本化。

絵も作品テーマにマッチしてどこか静かなのにどこか華やかで、ラブリー。

自分はkindleで読んでてキミドリ色の画面が印象的ですけど、これ紙書籍もキミドリ色なんかな。

『気になってる人が男じゃなかった』1巻より(新井すみこ/KADOKAWA)

バズありきのTwitter発の漫画は構成というか構想の「背骨が薄」くて連載長期化に耐えられない作品が前は多かったんですけど、最近はこなれたというかライク・ア・ローリングストーンというか、どう転がっていくのかわからないライブ感を逆手にとった、面白い漫画が増えてきたように思います。

1巻、もったいつけるでも、引き延ばすでもなく、テンポ良く思ったよりいろいろ進展するよね。

『気になってる人が男じゃなかった』1巻より(新井すみこ/KADOKAWA)

成田くん、最近のラブコメの定番ポジション「読者代表」傍観者キャラなんだけど、やっぱいいよねというのと、みつきがその気もないのに あや についつい反射的に「女たらしイケメンムーブ」してしまうの、『めぞん一刻』の三鷹さんみたいでウケるし、まあ気持ちはわかるw

建て付け・展開・描写は自分の目から見て完全に少女漫画文化圏の作品なんですけど、レガシーな少女漫画レーベルは毎度毎度こんな面白いのをKADOKAWAにかっさらわれてていいんかな、と思わないでもないです。

自分がレガシーレーベルのスカウト活動を知らないだけかもしらんのと、角川は角川で過去には1作品に自社3誌のスカウトが競合する事例があったりと、少々やり過ぎ感もなくはないけどw

『気になってる人が男じゃなかった』1巻より(新井すみこ/KADOKAWA)

メイン二人の共感ポイントが未満百合や洋楽そのものより、「自分らしさ」「好きを貫く」がポイントであることが示唆されていて、2巻以降のテーマになっていくんでしょうか。

 

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