#AQM

あ、今日読んだ漫画

#灰仭巫覡 1巻 評論(ネタバレ注意)

「この作品は人を選ぶと思います」

「自分は面白かったです」

を同時に言うと、

「自分はお前と違って『理解れる側』だ」

というマウントとってるみたいな意味が、意図せず、自然と、生じてしまうので、言葉というのは難しいものだと思います。

さて。

この作品は人を選ぶと思いますが、自分は面白かったです。

でも理解ってるかというと、全然理解ってないですw

『灰仭巫覡』1巻より(大暮維人/講談社)

現代から少し未来?、何らかの理由で科学が衰退?した代わりに、巫覡(ふげき、シャーマニズム)によって?それまで見えていなかったものが視えるようになった?世界。

それまで「天災」としか認識されていなかった現象が、神(あるいは化物?あるいは妖怪?)の怒りの顕現であることが、暗闇を伴って人間に視えるようになった。

「夜」と呼ばれるようになったソレと、人類は科学技術に替わる新たな技術体系・巫覡(など?)で闘う。

大英帝国の第3皇子・ガオは、英国・イーストボーン、オルドナス要塞での「颱の夜・キャサリン」との戦闘から、母に逃がされる形で脱出。

母の最期の言葉に従い日本に向かったSF宇宙艦風の武装タンカー艦は、しかし、颱の夜の追撃を受けて田舎の平野部に不時着。

『灰仭巫覡』1巻より(大暮維人/講談社)

そこで出会ったのは、理不尽を引き寄せる「巫覡魂」という霊質と強い巫覡力を持ち、怒れる神を祓う「燠火の神楽兵」の巫覡(パイロット)を務める少年・仭(じん)と、その仲間の少女たちだった。

艦の不時着事故が仭の母親を死なせてしまったガオ一行は、そのまま日本に居つき、仭たちの高校に通いつつ、仭たちと共に次々に現れる「夜」と闘っていく…

オリジナルの用語と設定の上に更にオリジナルの用語と設定が積み重ねられ、「パルスのファルシのルシがパージでコクーン」みたいになってて意味がわからないかもしれませんが、まとめるとこういう感じです。

分野として競合する現役作品は…『チェンソーマン』や『ダンダダン』あたりになるんですかね?

『灰仭巫覡』1巻より(大暮維人/講談社)

絵が綺麗!女の子可愛い!絵がもの凄い!バディもの!神楽の舞がかっこいい!田舎の夏!青空!入道雲!美少女!フェチ!猫!変なギャグセンス!絵がもの凄い!

でとりあえず楽しんで良いかと思います、まだ。

前作『化物語』コミカライズに続いて「オカルト・バトル」分野ですが、「災害」を受肉・顕現させて闘争すべき敵に定めているのが、大震災などを経た21世紀的、と言っても良いかもしれません。

あと主人公の少年2人とも、直近に母親を喪失してますね。

『灰仭巫覡』1巻より(大暮維人/講談社)

『うしおととら』とか、それ以前の作品でも採られていた手法ではあるんですが。

ちょっとアニメ制作会社・シャフトの過去作品群のテイストも感じますね。

一見、難解で複雑な初見殺しのようでいて、単行本で丁寧に読めばそこまで難しくなく、またとにかく絵が美麗な見応えがご褒美にもなっていて、熟読が苦にもなりません。

ちょっと『ジョジョ』5部のギャング・ダンスを彷彿とさせる描写、「巫覡と神楽」に絡めてミニスカ女子高生をフェティッシュに踊らせる良い口実になっていて、かっこ可愛くて眼福。

そして双頭のメインヒロイン。

『灰仭巫覡』1巻より(大暮維人/講談社)

「近年のマガジン美少女」の顔だなw

『エルデンリング』のラニもそうでしたけど、双頭は貌の印象がぼやけて蜃気楼のように記憶に残りにくい、ミステリアスで不思議な美しさがありますね。

カロリー高くて重たい、読む方にも熱量を求めそうな作品で、人気が出るのかどうかは自分にはちょっとよくわかりません。

最終的に風呂敷畳めない、コケおどしなのかもしんないけど、そうだとしてもまあ、ここまでやるコケおどしは中々見ねえよな、まあなんか凄いの始まったな、っていう。

『灰仭巫覡』1巻より(大暮維人/講談社)

『化物語』の続きよりもこっちを選んだこと、よくわからんけど納得させられる1巻。

 

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