「空 高いなあ 冬の空だ」
「おひさま あったかい」
「あ そっか」
「楽しませなくてもいいし」
「楽しまなくてもいいんだ…」
無職ながら実家で両親に扶養されながら雲のように風のように楽しく暮らす、兄・守と妹・春子の日常コメディ。
無職だけど悲観的でなく、達観や諦観してるわけでもなく、日々の楽しいことを淡々と重ねていく。のん気な2人に感化された、疲れた現代人たちの輪が広がっていく感じの優しい世界。
冒頭のセリフは春子と川原で昼寝する羽目になった友人のキャバ嬢のセリフ。コメディやギャグに、冒頭のような人生観をさらっと混ぜてきます。作品がヒットすると本来のテーマより作者の主張の色が強くなる作品ってちょいちょいありますけど、この作品は押し付けがましくなくていいですね。
資質に恵まれ、家族に恵まれ、周囲に恵まれ、無職でいることのネガティブな面はあまり描かずに、ある意味で精神的なファンタジーなんだと思いますけど、いいじゃん、漫画だし。
兄の守が本当に珍しくマジ切れするところも。
言っても16巻だし、読むのもそろそろ飽きてくる頃合かしらんと思いながら読んだらやっぱり面白かったので、読む漫画が減りません。困った困った。
aqm.hatenablog.jp