「でー『めし』の次回作の企画ですけど
企画書『ザ・脂』」
「また料理やんけ!死ぬわ
『めし』の3年間でクッソ太ったんやぞ!
次の連載をしながらやせたいんだっ
サイエンスがいい…NASAでグルングルンさせたり…」
「取材に行く系がいいんですか?フランスの傭兵とかは?」
「やだっ 他人から怒られそうなのは やだっ」
ダイエットもの需要というのは現にダイエットに興味を持っている人に向けた自己啓発本的な需要であって、ダイエット漫画がなぜたいして面白くないかというと「会ったこともない赤の他人が痩せてようが太ってようがクソどうでもいい」という根本的な問題があると思うんですが、この人の場合はどうでしょうか。
「めしにしましょう」で商業デビュー・ブレイクした作者の最新作。新型コロナウィルス禍の影響で発売日の変更等があったのか、7月下旬にしれっと出てて気づきませんでした。
半年間で
・脂質摂取ダイエット
・サプリメントダイエット
・間欠的ファスティングダイエット
・GLP-1ダイエット(やせる注射)
・ライザップ
を1ヶ月ごとにやっていきましょう、という漫画。
天邪鬼な上に凝り性というか、題材をハックするというか、魔改造するというか、そういう作者の性格なので、途中から「ダイエットメソッド自体は守りつつハックして、いかに痩せることを妨害するか」という、自らの身体を使った意味不明な人体実験に陥る何がやりたいのかよくわからない漫画にw
ただ「人体としての自分をハックする」ことを楽しめる作者の性格に対して好相性なテーマではあるのかなと思います。
シャブやってるかのようなテンションの緩急と言語センスの会話芸は相変わらず、この作者のそういうところが中毒な人は楽しめると思います。
ダイエット食エピソードに前作主人公の青梅川、广、無が普通に登場、というファンには嬉しいおまけも。
aqm.hatenablog.jp