次回、何かの作品が「配信停止」となったときに「アクタージュの時どうだったっけ?」を思い出すための、電子書籍サービスにおける「配信停止」とは何かの記録です。
自分はkindleユーザですが、結論を先に書くと漫画「アクタージュ」の「配信停止」が発表されてから2日経った2020年8月19日18時現在で、
【「アクタージュ」に関してkindleでできないこと】
・電子書籍の既刊の新規購入(Amazonの商品ページが消滅)
・続巻の購入(出版社による連載中止、出版予定の中止)
【「アクタージュ」に関してkindleでできること】
・購入済み既刊の再ダウンロード(自分の環境で確認)
・購入済み既刊の閲覧(自分の環境で確認)
となってます。※変更があれば訂正します。
今回の件で「これがあるから電子書籍は怖い」との声も一部ありましたが、結果的には紙も電子もできること・できないことはほぼ同条件相当でした。
「配信停止」だと、「新規の販売が停止」なのか「販売済の電子書籍も閲覧できなくなる」なのか紛らわしいので、 もう少しデリケートな表現で発表して欲しいところ。
出版社と電子書籍サービス事業者の間で「配信停止」の定義が食い違って、伝言ゲーム的に「停止しなくていいところ」まで停止されることが起こりうるんじゃないかと、ちょっと怖い。
ちなみに、仮に今回は杞憂に終わりそうな「販売済の電子書籍も閲覧できなくなる」だった場合、公称300万部の半分が電子書籍だったと仮定すると
150万部×460円=6.9億円
分の読者の仮想資産が出版社の都合で消滅するところでした。
私のkindle蔵書でもっとも単行本の購入数が多い作家の作品は107冊、もしその先生が不祥事を起こし、もし電子書籍サービスで閲覧できなくなった場合は、1冊600円計算で実質上約6.5万円の損害を被ることになります。「こち亀」だったら500円×200冊、約10万円分ですね。
こうなるともう読者がクラウド上のコンテンツ財産を守るムーブに最適化したら「名作を描いた作家は不祥事を起こす前に早く死ぬことを祈る」になってしまいます。
バカバカしい。こっちは「100歳超えても面白い漫画描き続けろ」と思ってるというのに!
この辺は机上の空論ではなく損害の実態を持ってしまった瞬間に、電子書籍サービスの信頼性や、現行のサービス利用規約(閲覧権の貸与であり事業者が一方的に変更権を持つ)の商法上の妥当性を問われるパンドラの箱になりかねないので、出版社及び電子書籍プラットフォーム各社は、今後もぜひ「冷静」な対応を取って欲しいと思います。
(経緯)
8月8日、原作者逮捕の報道。
余談だけど、大手報道機関のニュースって時間経過で消えてしまうので記録として残すには不向きよね。ということでブクマ欄のURLを。
b.hatena.ne.jp
当初、情報不足から未成年女子との「淫行」容疑と受け取られたが、二報で「路上での強制わいせつ行為」容疑(通り魔的な痴漢行為)であることが明らかになった。
8月10日、集英社の週刊少年ジャンプ編集部より連載終了のお知らせ。
www.shonenjump.com
8月17日、集英社の週刊少年ジャンプ編集部より関連する商品・サービスの今後の取り扱いに関するお知らせ。
既刊の出荷停止、電子書籍の配信停止、関連商品・企画の中止など。
www.shonenjump.com
■ジャンプコミックス『アクタージュ act-age』について
13巻以降の新刊の発売は中止といたします。また、既刊1巻~12巻については、無期限の出荷停止といたします。
■ジャンプコミックス『アクタージュ act-age』電子版について
「少年ジャンプ+」「ジャンプBOOKストア!」「ゼブラック」等の集英社直営電子書店で販売している電子版コミックスにつきましては、8月17日23時59分をもって無期限の配信停止といたします。✳︎その他の販売形態につきましても、順次配信停止といたします。また、直営以外の電子書店で販売している電子版コミックス等につきましても、順次配信停止となります。詳しくはご購入された電子書店にてご確認ください。
「配信停止」を巡って不安の声や憶測が飛び交う。
b.hatena.ne.jp
b.hatena.ne.jp
b.hatena.ne.jp
b.hatena.ne.jp
b.hatena.ne.jp
b.hatena.ne.jp
detail.chiebukuro.yahoo.co.jp
b.hatena.ne.jp
b.hatena.ne.jp
b.hatena.ne.jp
b.hatena.ne.jp
b.hatena.ne.jp
b.hatena.ne.jp
b.hatena.ne.jp
同8月17日、紙版の書籍がフリマサイトで高騰との報道。
nlab.itmedia.co.jp
同8月17日、集英社のお膝元の電子書籍サービスで配信停止に関するお知らせ。
www.shonenjump.com
「少年ジャンプ+」「ジャンプBOOKストア!」「ゼブラック」等の集英社直営電子書店で販売している電子版コミックスにつきましては、2020年8月17日(月)23時59分をもって無期限の配信停止といたします。
(※購入済みのコミックスに関しましては停止後も[本棚]から閲覧できます。)
電子書籍事業者が集英社以上のリスクを独自で背負うメリットがないため、本件ではおそらくここが一番厳しい対応となり、他の電子書籍サービスもほぼこれに準拠すると「思われ」ます。
8月19日未明頃?8月18日午後?、Amazonで「アクタージュ」最終12巻のkindle版の商品ページが消滅。
https://www.amazon.co.jp/dp/B088YF2DZF/ref=as_li_ss_il?coliid=I4TUMVDUEAMBN&colid=IA69JVLEBLSO&psc=0&ref_=lv_ov_lig_dp_it&linkCode=li3&tag=httpblogpla0a-22&linkId=f1d776afd1bc55e14133b504ea06d2c7&language=ja_JP
商品ページの消滅に伴い、Amazonのアフィリエイトから書影画像を引っ張ってきていた自分のブログの記事で書影が表示されなくなる。
aqm.hatenablog.jp
8月19日現在、Amazonの紙書籍はマーケットプレイスの中古品として商品は存在しているが、定価460円だったところ1,500円以上に高騰している。
www.amazon.co.jp
8月19日、電子書籍サービス「BOOK⭐︎WALKER」で配信停止に関するお知らせ。
bookwalker.jp
・『アクタージュ act-age』1~12巻は【2020年8月19日(水)23:59】をもって配信停止となり、以降購入できなくなります。
・購入済みの書籍は今後も閲覧・再ダウンロードが可能です。
・13巻以降の新刊の発売は中止となります。