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#声がだせない少女は「彼女が優しすぎる」と思っている 2巻 評論(ネタバレ注意)

転校生の少女・真白 音は失声症、声を出すことができない。筆談で会話する彼女に最初こそ話しかけてきたクラスメイトたちも、2週間もすると面倒がって彼女との会話を避けるようになった。

そんな落ち込む彼女にぶっきらぼうに話しかけてきたのはツインテでぶっきらぼうで無愛想なクラスメイト・心崎菊乃。菊乃は他人の心が読めるテレパス、超能力者だった。

という、喋れない少女と心が読める少女の友情を描いたファンタジー日常もの。「喋れない」と「心が読める」の、重くて暗くなりがちなテーマを掛け合わせたら、こんなに優しく楽しく可愛らしい漫画に。

1巻というか初期設定の時点でどう転んでも優しい話なので「設定なり」と言ったら創作者に対して大変失礼ですけど、日常回を回すだけで自然と優しい話になります。

音は設定的にもビジュアル的にも一見大人しげに見えますけど、結構いい性格をしてますねw

望む望まないに関わらず他人の心が読める菊乃は、便利な能力のように、失語症の音の良きサポート役になれそうに一見思えますが、これまでその能力のせいでたくさん傷ついてきて、その分他人に対してとても臆病です。

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「声がだせない少女は「彼女が優しすぎる」と思っている」2巻より(矢村いち/秋田書店)

音と菊乃の事情はそれぞれ違っていて、どっちが大変だったかなんて他人にも本人たちにもわかりませんし比べることでもないですが、他人に相談できない・理解されない悩みと言う意味で菊乃の境遇はとても特殊です。

母親は知ってるのね。当然か。

もしかしたら「きまぐれオレンジ★ロード」の改訂版のラストのように最終回の後のことになるかもしれないですけど、いつか菊乃が音に「本当のこと」を話せる日がくると良いなと思います。

 

 

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