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#ダンジョン飯 10巻 評論(ネタバレ注意)

迷宮の主・狂乱の魔術師に竜にされた妹・ファリンを追って、冒険者ライオス一行が途中で倒したモンスターを美味しく調理して食べながら下層を目指してダンジョンを進んでいく、RPG世界観の空想グルメ・ファンタジー。

変わり種ファンタジーの中興の祖?「モンスターを料理して食う」というインパクトが強く、またそれが話題になって1巻出オチみたいなブレイクの仕方をした作品ですけど、もともとこの作者の持ち味はストーリーテラーなとこだったよな、といつの間にかストーリーも佳境に。

ライオスの軸は「有翼の獅子の解放」「狂乱の魔術師の無力化」「ファリンの救出」でしたが、コレに加えて新たな軸が。一方のカブルーとカナリア隊隊長ミスルンは新たな迷宮の主に選ばれかけているライオスを止めるべく彼を追う。

表紙はラスボス、迷宮の主こと「狂乱の魔術師」。

話の進展、迷宮の謎、バトル、グルメ、ギャグ、と、この漫画らしさが盛りだくさんの一冊。

迷宮最深部の狂乱の魔術師の棲家にたどり着いたライオス一行。

いよいよクライマックスという感じで、狂乱の魔術師の過去回想から今の迷宮がこうある謎というか経緯が明かされ、更にエルフのマルシルが迷宮に潜る動機も明かされます。

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「ダンジョン飯」10巻より(九井諒子/KADOKAWA)

寿命ギャップはもともと手塚治虫の「火の鳥」以下、漫画で描かれ継いできたテーマで、特にファンタジー世界における種族間の寿命ギャップ、もっと具体的に言うと「生き残ってしまうエルフの孤独」は、昨年「葬送のフリーレン」であらためて脚光を浴びたテーマですが、アンサーというか、もう一歩踏み込んだ感じはしますね。

神が創りたもうた世界の形を変えてしまう不遜な夢ですけど、新たな「迷宮の主」を目指すライオスとのコンビのこの夢想は、作品の完結の仕方の根幹に関わってきそうな予感がしますね。

ライオスたぶん「マルシルがそうしたいならいいんじゃないか」ぐらいしか言わなさそう。

と、竜と化したファリン、狂乱の魔術師との対峙を控えてクライマックスでシリアスモード全開の重めな展開…と思ったら、

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「ダンジョン飯」10巻より(九井諒子/KADOKAWA)

なんなんだよこの漫画はよwww「ドリフターズ」のギャグコマじゃねんだぞwwwクライマックス、クライマックスですよwww

もう、残されたトピックはそれほど多くはないように見え、あと2巻ぐらいで完結かなと思うんですが(毎回言ってんなコレ)、カブルーとミスルンがどう絡んでくるのかイマイチ予想がつきません。「大長編ドラえもん」におけるタイムパトロールというか、主人公たちがつけた決着を収拾させる役割なのかなん?

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「ダンジョン飯」10巻より(九井諒子/KADOKAWA)

主人公であるライオスとマルシルの夢や野望が満額で叶ってしまうと、それはそれで結構サイケデリックでラジカルな結末な気もしますけど。

まあいいか、漫画だしw

 

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