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#刷ったもんだ! 5巻 評論(ネタバレ注意)

元ヤンキーな青春を送り、SNSで漫画クラスタに入り浸る漫画好きの真白悠(♀)は中小企業の虹原印刷(株)に就職。

企画デザイン課に配属され、印刷物のデザイン、データ作成・出力、校正を担当。担当する仕事は選挙のチラシからエロ同人誌までなんでもあり。

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「刷ったもんだ!」5巻より(染谷みのる/講談社)

という印刷会社のお仕事日常漫画。

取材もしてんでしょうけど、1巻巻末の「Special Thanks」に「元勤め先の皆さま」とあり、作者が経験者なんですね。「NEW GAME!」と同じパターン。

人の生き死にに関わらない、世界も救わない、地味で実直ですけど、ウェルメイドなお仕事もの。

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「刷ったもんだ!」5巻より(染谷みのる/講談社)

こなれてきたと言うか、虹原印刷の人間関係も巻を重ねてキャラに愛着も湧いてきて、読んでてどんどん楽しくなってきましたね。ヒロインと淡いロマンスな黒瀬くんとの関係もいい感じというか、この淡い関係のまま最終回で突然プロポーズとかしそうよねこいつら。

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「刷ったもんだ!」5巻より(染谷みのる/講談社)

今巻の途中から連載がモーニング本誌から系列の月刊誌に移ったんだそうですけど、良いと思います。文字情報の多い作品ですけど、週刊だと限られたページに詰め込み気味な感じはあったので、そう言われてみると誌面に絵で見せる間やじっくり読ませる余裕ができたような気がします。1ページあたりの文字数だいぶ減らせたんちゃうかな。

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「刷ったもんだ!」5巻より(染谷みのる/講談社)

確か元印刷会社社員だった作者が脱サラして漫画家デビューした作品だったと記憶してますが、辞めた仕事に対する愛というかリスペクトってなんなんだろう、とちょっと不思議な気はします。

そんなに好きなら辞めなきゃよかったのに、と思う反面、誌面には印刷の仕事に対する愛が溢れていて、どういう心理で描いているのか一回訊いてみたいもんですね。

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「刷ったもんだ!」5巻より(染谷みのる/講談社)

どんな仕事であれ、「その仕事をする理由」「やりがい」みたいなものって忙殺されて忘れがちになりますけど、漫画家になって一歩引いた(そしてもう戻れない)立場になって、別れた彼女の良いところばっかり憶えてるみたいに、見えてくるものがあるんだろうか。

 

 

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