

地方の病院に務めるアイドルオタな産婦人科医師・ゴローのもとに双子を妊娠したお腹を抱えて訪れた少女は、彼が熱狂するアイドル・アイ(16)だった。驚きショックを受けたゴローだったが、身近に接するアイの人柄に魅了され、彼女の出産を全力でサポートしようと決意する。
だが出産予定日の当日、ゴローはアイのストーカーに殺害される。驚くべきことに、ゴローはアイが出産した男女の双子のうち一人として転生する…

「【推しの子】」7巻より(赤坂アカ/横槍メンゴ/集英社)
「かぐや様」の赤坂アカの作話を「クズの本懐」等の横槍メンゴが作画、という期待作。
要約すると二周目人生は伝説のアイドルの双子の子どもだった転生チートな芸能界サクセスストーリー、ミステリー付き。
縦軸はありつつも、横軸は主人公の2人が芸能界の様々な仕事を渡り歩いて、作者が見知った芸能仕事の機微を描写していく建て付けに。アイドル編、リアリティショー編ときて、「2.5次元舞台編」。

「【推しの子】」7巻より(赤坂アカ/横槍メンゴ/集英社)
この作品の縦軸はアイの死をめぐるミステリーとアクアの復讐で、あとはアクアとルビーがそれぞれ前世を覚えていることを違いにいつ知ることになるか、あたりが本質なんかな、と思ってます。
そういう意味でこの作品のメインヒロインはアイとルビーです。
「2.5次元編」などのエピソードは、「芸能界の様々な局面を描いていく」横軸ためのたくさんの寄り道のひとつ、余技であって、そこに登場する有馬かなや黒川あかねたちサブヒロインたちはどこまで行っても「脇役」なんですよね。

「【推しの子】」7巻より(赤坂アカ/横槍メンゴ/集英社)
孔雀の羽ってアレ飛べなくて、異性へのアピールで生殖や種としてはとても重要でひいては観察する人間へのアピールにもなっていて、あたかもそれが孔雀に本質のように人間には扱われますけど、個体が自然をサバイバルしていくだったら重要なのは感覚器や内臓を除けば脚と嘴なんかなと思います。
漫画作品における「孔雀の羽」にあたるエピソードやキャラは「面白いだけ」で物語に影響しない、なかなか扱いが難しいケースが多いんですけど、この原作者だったら縦軸に孔雀の羽たちを上手に織り込んでくれそうだな、となんか期待してしまいますね。
というようなことを、久しぶりに話が縦軸に還ってきた今巻を読んで感じました。

「【推しの子】」7巻より(赤坂アカ/横槍メンゴ/集英社)
ところで、アクアとルビーは前世の魂(人格と記憶)を隠し持ってそれぞれに転生していますけど、
①本来なら「前世の人格と記憶を忘れて」転生するはずのところを生まれ変わりの際に忘れ損なっている(輪廻転生が標準仕様の世界観)
②本来なら別の魂が生まれ育ったはずのところにゴローとさりなの魂が憑依している(輪廻転生がイレギュラーな世界観)
のどっちなんでしょうかね。
②だと「本来のアクアとルビーに在ったはずの魂はどこに行ったのか」という残酷な謎が残ってしまうんで、①なんかな。
あと全然アレなんですけど、どうも次巻の話が宮崎が舞台になりそうな塩梅なんですけど、

「【推しの子】」7巻より(赤坂アカ/横槍メンゴ/集英社)
転勤族の自分はたまたま去年の7月から宮崎に住んでるので、作中で宮崎グルメツアーやって実在の美味しいお店とかいっぱい紹介してくれると個人的にありがたいです。
漫画のジャンル変わっちゃいますけど、たまにはそんな「孔雀の羽」もいんでねえでしょうかw
aqm.hatenablog.jp
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