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#チェンソーマン 12巻 評論(ネタバレ注意)

父親の借金を背負って臓器を売りながら生き延びてきた野良犬少年デンジ。悪魔ポチタとコンビを組んでヤクザの下で搾取されながら悪魔狩りを営むもヤクザが悪魔に乗っ取られ絶体絶命のピンチ。

ポチタと融合してヤクザを皆殺しにしたデンジは、チェーンソーの悪魔として美少女・マキマにスカウトされ、美少女魔人・パワーと組んで公安デビルハンターとして悪魔と戦う。

悪魔との戦いを通じて知己や友人を得て、そして喪って、裏で全ての糸を引いていたマキマをすら打倒して、あれほど渇望した愛をささやかながら与える側になったデンジ。

第一部・完。

『チェンソーマン』12巻より(藤本タツキ/集英社)

作者の数本の読み切りを挟んで約1年半ぶりの連載再開、第二部開始。ナンバリングはタイトル変更のないまま前巻に続き「12巻」になりました。

正直、「第一部・完」は毀誉褒貶が激しくなりそうなラストに不完全燃焼で納得しない読者に対するボーナスというか煙幕というか、『スラムダンク』と同じく描かれることのない第二部なんじゃないかとも、ちょっと思いました。

『チェンソーマン』12巻より(藤本タツキ/集英社)

「えっ、ここで終わり!? まあ第二部あるなら、いっか!」みたいな。

作者にまつわるエピソードを見るに、描きたい作品を頭の中にたくさん抱えていて、正直あんまり一作品をずっと描いていたい漫画家には見えません。

TVアニメが始まるタイミングで図ったように(実際、TVアニメ開始と単行本のタイミングが重なるように連載開始のタイミングも逆算して図ったんでしょうけど)12巻が出るのもいかにもプロモーションくさい。

『チェンソーマン』12巻より(藤本タツキ/集英社)

読み切り数本を描いて「他作品を描きたい欲」が充足したのか、遣り手と評判の担当編集が渋る作者を宥めすかして描かせているんじゃないか、いろいろ勘繰ってしまいます。

まあそれはそれとして。

『チェンソーマン』12巻より(藤本タツキ/集英社)

同じ世界観で新キャラを主人公のように扱って、従来の主人公のデンジをはじめ旧作のキャラが登場しない導入、からの満を持してのデンジ登場。

旧作の「支配の悪魔」に匹敵するぐらい大仰で強そうな「戦争の悪魔」のラスボス(に乗っ取られた少女)視点で進行する物語。

主要キャラがあらかた死んじまったせいで一般論的な意味での「続編甲斐」がねえなこの漫画w

『チェンソーマン』12巻より(藤本タツキ/集英社)

吉田の他にはおっさんとコベニぐらいしかいねえw

一度止まったエンジンをかけ直して、旧作終盤のライブ感の熱狂とはまだ比べるべくもありませんが、まあまだ実質1巻ですしね、っていう。

予想のつかない野放図な展開に野放図なキャラは相変わらずですけど、旧作1巻と比べるとスピード感に劣るというのか、じっくりやってるというのか。

とりあえず続編ものなんで、パラレルワールドで「なかったこと」にでもなってない限り「デンジこれ成長したか?」と思いつつ、「伝説になって聖人になって」とはいかないのがデンジらしいなと半笑いになりつつ、このへんと、

『チェンソーマン』11巻より(藤本タツキ/集英社)

このへんどーすんかな、

『チェンソーマン』11巻より(藤本タツキ/集英社)

というのは気になりつつ。

回転数上がって、またあの「一体なにを読まされているんだ」というライブ感を味わいたいなと思いつつも、まーでも同じことやるのは描く方も、特にこの作者はつまんないだろうな、と思いつつ。

期待値がとても高いだけに傑作・名作の予感はまだ「保留」としときたい気持ちながら、単純に「チェンソーマンの新エピソード読めるの嬉しいなあ」とも思いつつ、次巻に続く。

 

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