#AQM

I oppose and protest the Russian invasion of Ukraine.

#【推しの子】 9巻 評論(ネタバレ注意)

ピンク色のふわふわ髪の、シィルみたいな表紙のこの子は誰だろう。

瞳(星がない)からしてアイでもルビーでもなし、髪型から有馬かなでも黒川あかねでもなし。

強いて言えば、

「【推しの子】」9巻より(赤坂アカ/横槍メンゴ/集英社)

ルビーの芸能科のクラスメイトのみなみ(左の子)ですかね?

脇役とはいえネームドで、MOBじゃないのは確かですけど、表紙にしておくぐらいには今後重要性が増すキャラなんかしらん。

 

地方の病院に務めるアイドルオタな産婦人科医師・ゴローのもとに双子を妊娠したお腹を抱えて訪れた少女は、彼が熱狂するアイドル・アイ(16)だった。驚きショックを受けたゴローだったが、身近に接するアイの人柄に魅了され、彼女の出産を全力でサポートしようと決意する。

だが出産予定日の当日、ゴローはアイのストーカーに殺害される。驚くべきことに、ゴローはアイが出産した男女の双子のうち一人として転生する…

「かぐや様」の赤坂アカの作話を「クズの本懐」等の横槍メンゴが作画、という期待作。

「【推しの子】」9巻より(赤坂アカ/横槍メンゴ/集英社)

要約すると二周目人生は伝説のアイドルの双子の子どもだった転生チートな芸能界サクセスストーリー、ミステリー付き。

縦軸はありつつも、横軸は主人公の2人が芸能界の様々な仕事を渡り歩いて、作者が見知った芸能仕事の機微を描写していく建て付けに。アイドル編、リアリティショー編、2.5次元舞台編、幕間を挟んで強いてラベルを貼るとしたら「バラエティ編」?

公式には「中堅編」と名付けられた新章突入。

「【推しの子】」9巻より(赤坂アカ/横槍メンゴ/集英社)

前巻から時制が半年ほど飛んで、アクアはTVバラエティ番組でレギュラー獲得、多忙ながら新進女優の黒川あかねとの交際も順調。

ルビーたちのアイドルグループ「B小町」もネットのバズをきっかけに躍進して注目株に。

と一見は順風満帆にブレイク間近な主要キャラ陣の芸能生活だったが、各々の内心には歪みが澱のように溜まり始めていた…

ということで、今巻はバラエティ番組がコスプレ界隈の現場を踏みつけるように取材するエピソード、を踏みつけるようにルビーが暗躍する回。

期せずしてアクアと同じく、アイの復讐を誓うルビーが、真相に近づく手段として「芸能界で売れるため」になりふり構わなくなる感じ。

相変わらずテーマも芸能界・TV・ネット・コスプレ・同人・配信者・SNSと、時世にキャッチアップして刺激的でキャッチー、かつよく取材した(ように見える)情報を面白くシナリオに組み立て再構築しています。

「(ように見える)」とわざわざ書くのは、自分は芸能界の裏事情とか知らんので、リアルかどうかよくわからんわ、という。

「【推しの子】」9巻より(赤坂アカ/横槍メンゴ/集英社)

ストーリー的には、アクア、ルビー、かな、あかねなど、主要キャラたちの鬱屈・屈折がキモなんかな。

もっと大きな伏線要素は一旦置いといて、当面はアクアとあかねの恋仲、ルビーの暗躍のモチベーションなどが、いかにも破綻しそうな予感を伴って描かれます。

と、各キャラだんだん曇らせ要素が入りエピソード自体もギスギス荒れがちな中、ちょっと年上のMEMちょが一服の清涼剤というか、『推しの子』の良心というか、良いですね。

「【推しの子】」9巻より(赤坂アカ/横槍メンゴ/集英社)

『チェンソーマン』のコベニちゃん、『かぐや様』のマキちゃんとタイプは違いながら、「幸せになってほしい」「報われてほしい」枠というか。

 

aqm.hatenablog.jp

aqm.hatenablog.jp