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#バトゥーキ 14巻 評論(ネタバレ注意)

女子中学生・三條一里はブラジル・マフィアの現ボスの落とし胤だったが、本人はそのことを知らず、組織の末端構成員の夫婦に日本で育てられた。

組織構成員B・Jは組織の跡目争いに一里を参加させるべく、育ての両親を誘拐。

同じ頃、カポエイラ(カポエラ)と出会い夢中になった一里は、両親を人質にとったB・Jの脅迫と指示により、高校生となって以降もカポエイラの腕を磨き、B・Jが充てがう強者たちを相手に実戦を重ねていく。

『バトゥーキ』14巻より(迫稔雄/集英社)

半グレ組織「悪軍連合」vs一里組の全面対決の決着がつき、物語を引っ張ってきた悪役の黒幕が失脚して新展開。

一里が自らの意志で戦いたいと思った強者、次の対戦相手は人気動画配信者で総合格闘家の遊佐春麻。

ギャグコメ風味ながらいろいろあって(いろいろありすぎや)、遊佐の過去とかカポエイラの精神・歴史などなども語られつつ、目標を達成した一里組は、強者だったらカポエリスタ以外でも誰でも乱入アリのオープンホーダ"ニーニョ・ジ・バンバ(猛者の巣)"を開催し遊佐を誘う。

『バトゥーキ』14巻より(迫稔雄/集英社)

カポエイラの天下一武道会みたいというか、誰でも乱入OKのゲーセンの格ゲーみたいねw

カポエイラのマスター陣は3日間のオープンホーダの2日間で一里を鍛え3日目で遊佐と闘わせるつもりだったが、1日目の一里に疲労が溜まった頃に登場したのはなんと遊佐本人。

一里の回復を期し、カポエイラのマスタークラスたちが遊佐の前に立ち塞がる…

というわけで、一里の百人組手になるはずだったエピソードが、逆に遊佐の百人組手に。

『バトゥーキ』14巻より(迫稔雄/集英社)

格闘漫画は「勝った・負けた」「どう勝った・どう負けた」が重要で、ストーリー自体は「トーナメントが進んでいくだけ」など比較的シンプルな展開のものが多い(準決勝の番狂せで変化をつけたりする)んですが、BJの脅迫ノルマシリーズがいきなり消えてなくなったがごとく、この作品はまるでカポエイラのスタイルのように変幻自在で、先が読めません。複線で並行してマフィアパートも進行中。

『バトゥーキ』14巻より(迫稔雄/集英社)

カポエイラ他流派のマスタークラスと遊佐に連戦させることで、カポエイラの深奥と遊佐の強さ、両方を引き立てることに成功している展開。

こっち(読者)が見慣れないはずのカポエイラの重心移動と回転の連続性をこれだけ動かして見せるのは、読者への信頼か、作者自身の画力への信頼か。

次巻、一里vs遊佐のバトルが本格化!というところですが、ここで闘わせていいんだろうかw

『バトゥーキ』14巻より(迫稔雄/集英社)

画力への信頼と反比例するように、いま見えてる展開に対して「もう騙されないぞ」と身構えてしまうw

 

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