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#悪役令嬢転生おじさん 4巻 評論(ネタバレ注意)

異世界転生ものや悪役令嬢ものは何しろ数が多く全部読んでたらキリがないので、よっぽどのことがない限り読んでないんですが、1巻がなんかよっっっっぽど話題になってたので手に取った作品。

『悪役令嬢転生おじさん』4巻より(上山道郎/少年画報社)

乙女ゲーやってる娘ともリビングでオタク談義を交わす程度にオタク文化に造詣が深いバーコードハゲの公務員のおっさん(52)は、トラック的なやつに轢かれた的なことで乙女ゲーの中の悪役令嬢に転生してしまった!

王侯貴族の子女が集う学園で、平民出のヒロインを虐める役どころの悪役令嬢だったが、おっさんはついつい地の人の良さと「娘の親」目線が出てしまい、乙女ゲー内の貴族学園はおかしな方向に展開していく…

『悪役令嬢転生おじさん』4巻より(上山道郎/少年画報社)

という、異世界転生+悪役令嬢+生徒会+異世界おじさんな欲張りセットな漫画。基本、コメディ進行です。

1巻が面白かった反面、グッドアイデアで生まれた作品は出オチの一発ネタになってしまうことが多いんですけど、2巻からはゲームの世界にお父さんが転生したことを妻と娘が認知し、リビングのゲーム機とTVを通じて主人公のおっさんを観察する新しい仕掛けが。

『悪役令嬢転生おじさん』4巻より(上山道郎/少年画報社)

自分は結婚したことはないですが、美少女化してお嬢様「ですわ」口調で振る舞っている姿を妻や娘に見守られてることがわかったら、たぶん舌噛んで死ぬ気がします。おっさんには強く生きてほしい。

初期設定が2巻までで定義されて、非日常な異世界日常ものとしての通常モードクルージングに入った感じ。早くも既に「悪役」関係ねえなこれ…

今巻は一冊かけて学園の学園祭編。

『悪役令嬢転生おじさん』4巻より(上山道郎/少年画報社)

悪役令嬢グレイス含む生徒会は、本来であれば学園の品格と風紀を維持するために厳格に品行方正を求める立場だったが、例によって中身がものわかりの良い親目線・上司目線のおっさんなので、メイド喫茶とかのユルい企画もバンバン許可するのだった。

一方、生徒会自身は演劇の舞台を企画するものの、生徒会の伝統として「男女逆転」という縛りがあった…

という巻。

『悪役令嬢転生おじさん』4巻より(上山道郎/少年画報社)

プロの創作物に向かって使う言葉としてはたぶん不適切かもしれませんが、作者自身が楽しんで描いてるのが伝わってきて、読んでるこっちもなんか楽しくなってしまいますねw

悪役令嬢グレイス(中身おっさん)の、遠い療養地で療養中ということになっている母親が、30年前から今の事態を予見していたっぽかったり、グレイス(中身おっさん)の現状を理解している風の描写が挟まれ、母親に関するちょっとした謎が深まりつつも、おっさんが現世に帰還するためのキーでもあるような感じです。

『悪役令嬢転生おじさん』4巻より(上山道郎/少年画報社)

最後、現実世界への帰還エンドに落ち着く可能性が高そうな気がしますが、おっさんに人格を「乗っ取られ」その間に人望を集めてしまったグレイスの「本来の人格」が、どう扱われるのか、ちょっとした見ものというか、楽しみですね。

 

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