#AQM

I oppose and protest the Russian invasion of Ukraine.

FSS (NT2023年4月号 第18巻相当) 評論(ネタバレ注意)

ファイブスター物語、連続掲載継続中。

「第6話 時の詩女 アクト5-1 緋色の雫 Both3069」。

扉絵コミで13ページ。

  

他の号はこちらから。

aqm.hatenablog.jp

以下、宣伝と余談のあとにネタバレ情報を含んで論評しますので閲覧ご注意。

 

 

 

 

 

 

 

(余談)

NT誌表紙と巻頭特集もFSSでーす。

17巻の感想記事

17巻が出て手元にありますが、感想記事まだ書いてないですが、

そのうちなんか書きます。

収録各話の連載時の感想は逐次書いてたのでこちらを。

aqm.hatenablog.jp

月刊連載の細切れのリアルタイム感想なので、一冊イッキ読み後に読むとそぐわねーかもしんねーですけど。

どうせ15巻の感想も16巻の感想も単行本の中身関係なかったですけど、

aqm.hatenablog.jp

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FSSの感想に限らないですけど、連載時に感想書いちゃうと単行本の感想にあんま書くことなくて困るよね。

というか単行本まだ読んですらいないので、一冊イッキ読みしたらなんか書きたいこと思いつくかな。

 

新潟国際アニメーション映画祭

今週の日曜日、これ行く予定です。

20時過ぎにイベント終わった後は新潟に後泊ぼっちでヒマなんで、誰か新潟市内の美味しいお店情報とかをDMとかで教えろください。

 

(扉絵)

クバルカン法国"人形使い"トワイス・カテリ枢機卿 カラー設定シート+解説テキスト。

 

(本編)

ボォス、ナカカラではダイ・グの演説によりディスターヴ隊バーガ・ハリ100騎以上が連合軍側として参戦、枢軸側のブーレイは撤退し、ナカカラ防衛戦が終結。スタント遊星バスター太陽系 第6惑星シャグジャリグリ・トウオでは、バランスファティマのリレー通信を受信したバランシェファティマNo24・ドアランデアスティルーテが追憶に浸っていた。

「驚愕の事実が!次号よりヨーン・バインツェルのエピソードがスタート!!」(ニュータイプ2023年4月号より)

 

(所感)

ダイ・グの演説

ダイ・グの演説で語られる可能性として、

①ダイ・グ自身の余命が短いこと

②惑星カラミティ崩壊の予告

③フィルモア全国民のナカカラへの移住・入植の宣言

④皇帝の後継者の指名

⑤ハイランダー、クリスティン・Vの地位に関する宣言

あたりを予想してたんですけど、実際に語られたのは①と

⑥フィルモア建国時の理念、サイレンとラーンの盟約

のみでした。

②③はセットで、かつ語った瞬間に大パニックが起こるためか語らず。

「盟約に従ってナカカラを守る!」と宣言はしても、「フィルモア国民を助けてくれ!」とは言わなかった形で、「綺麗事と隠し事」で済ませた、という感じはします。

ただ「綺麗事と隠し事」で納めた結果、

・ディスターヴ隊の参戦と敵軍の撤退を起こして「最小限の犠牲」で戦闘を終わらせ

・ナカカラとディスターヴ隊に貸しを作り

・元老院の陰謀を戦術レベルでは不発に終わらせ

・戦略レベルでは元老院と相互に利用し合う形で国益に適う妥協ポイントで妥結した

と、サイレンとラーンの理念に寄り添いつつ、フィルモアの政治家らしい老獪な落としどころ。

④がなかったので後継問題は「円卓の騎士」の仕事にお預け、⑤がなかったので「エンペラーズ・ハイランダー」の称号もお預け、というところ。

惑星カラミティ崩壊の情報は、いつオープンになるんでしょうね。魔導大戦終結後、天照とレーダー9世の会談で語られるのかな。

 

ドリュー・ゼレ

肩書きいっぱい抱えてハイスペックな割りに、なにしに来たんや君は。

設定資料を作っちゃったんで「出番を置きに来た」ようなキャラだった。

コーラスⅢとの因縁からくる妄執を抱えてたラルゴとの差なんかな。

ミラージュや黒騎士が守る敵本陣にブーレイと共に特攻したラルゴはプライドと狂気を孕んだ騎士・武人だったけど、ゼレは優秀な軍人・指揮官で、それ故に引き際も適切で、それ故に生き残り、それ故に見せ場もなかった、っていう感じ。

そもそも「もえぎ」のナイアスにしろ、「元・氷」のゼレにしろ、ダイ・グの演説に聴き入っちゃったりとか、他人(元老院)の命令でやらされてるサラリーマン騎士ってのもあって、自国の皇帝に刃を向けるにはどこか腰が引けてたよねっていう。

 

チャンダナ

死んだのか休眠なのか、判断つかない描写。

リスクを冒してマスターのために「禁じ手」を使った、ということっぽいけど、「禁じ手」のメカニズムやルールがよくわからないまま、チャンダナがどうなったのかもよくわからないので、「命を懸けてマスターの願いを叶えた」のかどうか、よくわからなかった。

剣聖で皇后だった慧茄、皇帝だったダイ・グに仕えた「フィルモア王家(皇家)のファティマ」で、どのみちダイ・グが死んだ後にまた誰かをマスターにするイメージが湧かないし、生きていてもファティマ廃業(?)でミースのお手伝いさんとして余生を過ごすのかな。

「その時のために生まれてきて、正にその時に命を燃やした」とでもいうか、お前は本当によくがんばった。

 

ダイ・グ

『ガンダム』シリーズはよく「モビルスーツに乗ってディベートする」と揶揄されますが、「GTMに乗って演説する」ことによって実際に戦況をひっくり返して戦闘を終わらせた、という、無血でこそなかったけど、サイレンとラーンの願いに可能な限り寄り添った、優しい皇帝。

「殺し屋」のポジションだったゼレが不発に終わったことで、倒れたものの一時延命。ダイ・グが死ぬとヨーンどころじゃなく「円卓の騎士」編に入らなきゃいけなくなっちゃうので?

ゼレからクリスティンを護って華々しく散るイメージがあったので、結果的に「皇帝」「政治家」としての立派な仕事を果たしたおかげで、クリスティン、ナキメーカ、ダス・ゴーストあたりは見せ場を失ってややカタルシスに欠ける終わり方だった気がしないでもないです。

ダス・ゴースト、3騎?4騎?撃破とはいえ、実質「歩く配信ブース」だった、みたいな。

クリスティンとか、「自分を庇って散ったダイ・グを見て覚醒してブーレイ百騎斬り」とか妄想してたので、やや肩透かし感も。

人が死ねば感動、ってわけじゃないけど、近年はGTM戦闘であんま誰も死ななくなりましたね。

奇しくもかつてコーラスⅢの死に寄せて「戦場で死ねて羨ましい」と語ったレーダー8世と同じく、「戦場で死に損なった皇帝」、とも。

 

緋色の雫

「緋色の雫」は、「フィルモア帝国の玉座」の象徴だったっぽい?

歴史作品・ファンタジー作品の欧州風の玉座のビロード?ってだいたい緋色ですね。

www.google.com

 

扉絵とエピローグ

さて大問題。

断片的なファクト

1750年

トワイス・カテリ枢機卿と破烈の人形、とある座標の調査へ

 

175X年

破烈の人形だけが星団へ帰還、トワイス・カテリ枢機卿の記録抹消

 

2770年

カイエンと破烈の人形とバランシェファティマ超弩級A、生まれたてBが、とある座標の調査へ、魔王ラドナリスリビオンを打倒

 

277X年

「カイエンとバランシェファティマ超弩級Aだけ」が帰還、カイエンは老化・精神分離、バランシェファティマ超弩級Aは「ぴっぴきぴ〜」に

 

2810年

カイエン覚醒するも記憶喪失

 

3225年

スタント遊星攻防戦、トワイス・カテリ消滅

・トワイス・カテリの背後には巨大な機械のようなもの

・トワイス・カテリは静に敬語で話しかけ、その様子をミューズが見ている

・惑星シャグジャリグリ・トウオに居て、肩に「シュペルターマーク」と「踊る人形」が入り、ドアランデアスティルーテを「マスター」と呼ぶ機械生命体

・惑星シャグジャリグリ・トウオに居るドアランデアスティルーテ

・令令謝は死亡しており、ジョーカーにいる令令謝は零・零

・単行本巻末の年表の3225年の記載のとおり、そもそもスタント遊星では時空が歪んで(止まって?)いる(時代が異なるシュッツィエンとZAPが共闘する)

・単行本17巻の表紙は惑星シャグジャリグリ・トウオに居るドアランデアスティルーテとアウクソー

確定っぽいことと謎なことを、一個づつ。

①④(とある座標の調査)は、なんの目的で?

 →詩女が派遣しているので、サタンかモナークに関すること?

①⑩⑫より、トワイス・カテリは1750年から3225年の間、ずっと惑星シャグジャリグリ・トウオでなんらかの形で存命で、3225年のスタント遊星攻防戦の際にミューズの公認のもと静をパートナーに戦う

(破烈の人形だけが星団へ帰還)騎士不在でGTM単体で、どうやって?

 →転送?自動操縦?人間と融合?

(トワイス・カテリ枢機卿の記録抹消)詩女とクバルカン上層部が絡んでいるはずだが、なんの目的で?

 →詩女とクバルカン上層部はスタント遊星のなんらかの秘密に気づいて(知って)いて、3069年の現在までその秘密が引き継がれている可能性がある

より、バランシェファティマ超弩級Aは令令謝 ※ネットではパルテノ説も有り

⑦⑮より、帰還した令令謝は実は零・零

④⑤⑮だけでは、令令謝が死んだタイミングが「魔王戦前」「魔王戦」「魔王戦後」のどれなのか判断できない 普通に考えれば「魔王戦」だが、その場合「魔王戦」より前に零・零を産んだことになる

より、バランシェファティマ生まれたてBはドアランデアスティルーテ

④⑥より、カイエンが乗って行った破烈の人形は惑星シャグジャリグリ・トウオに残された

(カイエンは老化・精神分離)なぜ老化・精神分離を?

 →「浦島効果」? 玉手箱を開けた浦島太郎状態?

「ぴっぴきぴ〜」は令令謝ではなく零・零の個性?

(カイエン覚醒するも記憶喪失)なぜ記憶喪失に?

 →詩女に消された?

(スタント遊星攻防戦)トワイス・カテリの消滅は戦死?スタント遊星と共に再び時間軸へ?マキシのように神化?

⑬⑰より、機械生命体は惑星シャグジャリグリ・トウオで進化、もしくはトワイス・カテリと融合した破烈の人形?

(ジョーカーにいる令令謝は零・零)なぜ7777年より先にFファティマを産めた?

(単行本17巻の表紙)アウクソーが惑星シャグジャリグリ・トウオに描かれた意味は?

 

行間を想像と妄想で埋めて、仮説として再構成

1750年

・トワイス・カテリ枢機卿と破烈の人形、詩女の指示でスタント遊星の調査へ

・目的は人類の進化の行く末(ファティマ誕生、Fファティマ誕生、GTMとの融合)の調査

 

175X年

・破烈の人形だけが星団へ帰還、トワイス・カテリ枢機卿の記録抹消

・トワイス・カテリは惑星シャグジャリグリ・トウオに一人で残ったか、もしくは破烈の人形と融合・同化して星団に帰還したかのどれか(後年登場するので「死んだ」可能性は一応除外)

・よりショッキングなのは「トワイス・カテリが破烈の人形と融合して帰ってきた」方で、その場合、詩女とクバルカン上層部が隠蔽した理由もわかる

 

2770年

・カイエンと破烈の人形(融合したカテリ?)と令令謝とドアランデアスティルーテ、スタント遊星の調査へ

・令令謝、零・零を出産

・カイエンと令令謝と破烈の人形(融合したカテリ?)、魔王ラドナリスリビオンを打倒

・令令謝、死亡

 

277X年

・カイエンと零・零が星団へ帰還、ドアランデアスティルーテと破烈の人形(融合したカテリ?)は惑星シャグジャリグリ・トウオに残る

・星団帰還後、カイエンは「浦島効果」で老化・精神分離

零・零は「壊れた令令謝」と見なされる

 

2810年

カイエンが覚醒するも、スタント遊星(人類の未来)に関する機密保持のため、詩女に記憶を消されていた

 

3225年

・スタント遊星攻防戦

・時間の止まったスタント遊星を交差点に、時代を跨ったオールスターのスパロボ状態に

 -パターンA 破烈の人形と融合したカテリが静をパートナーに参戦

 -パターンB ミューズから破烈の人形を託されたカテリが静をパートナーに参戦

・時代の数だけ破烈の人形が同時に登場して共闘する可能性?

・「スタント遊星に居たことがあるキャラ」が当時の姿で一斉に登場?

Q.トワイス・カテリが静に敬語で接する理由は?

A.破烈の人形と融合していた場合、機械生命体になったトワイス・カテリにとってファティマはマスター(母)だから(ジュノーンにとってのウリクル、クローソー/ヤクトにとってのパルテノ)

 

Q.破烈の人形(融合したカテリ?)はなぜ惑星シャグジャリグリ・トウオに残ったか?

A.破烈の人形とカテリが融合していた場合、星団に居場所がないから?

 惑星シャグジャリグリ・トウオで何らかの役目があるから?

 融合していない場合、惑星シャグジャリグリ・トウオで何らかの役目があるから?

 

Q.ドアランデアスティルーテはなぜ惑星シャグジャリグリ・トウオに残ったか?

A.破烈の人形とカテリが融合していた場合、彼女(彼女ら)を残していくのに忍びないから、もしくは彼女(彼女ら)のパートナーとしての役目があるから

 

Q.スタント遊星攻防戦でトワイス・カテリは、なぜパートナーを静にした(ドアランデアスティルーテにしなかった)のか?

A.わからない ドアランデアスティルーテ惑星シャグジャリグリ・トウオから離れられないか、死んだか、もしくは彼女も何かと融合した?

 

Q.17巻の表紙で 惑星シャグジャリグリ・トウオを背景に、ドアランデアスティルーテはともかく、なぜアウクソーが描かれた?

A.わからない アウクソーが「生きているカイエン」を求めて「カイエンが居た当時の惑星シャグジャリグリ・トウオ」に行く?

そもそも、騎士・ファティマ・GTMが3つに分かれているのは「最強の存在」としては(特に神々やサタンに対して)デカい弱点で、永い時間の中で三者が融合して一つの完全究極生命体を目指すのは進化の必然、という気もします。

天照にしろバランシェにしろカリギュラにしろ、GTM建造やファティマ誕生の目的は「人間が悪魔や神々に抗い戦うこと」だったはずで、そのための因子(AFやGTMがいつか人間と融合して完全生命体に進化する仕組み、ある種の人類補完計画)が炎の女皇帝や歴代バランス(バランシェ)によってはじめから仕込まれていても、おかしくはないのかな、と。

 

エピソードのエピローグが一見関連性のない(わずかに関連性のある)エピソードに飛ぶのはFSSではよくあるんですけど、毎回、新情報のお蔵出しで本編エピソード完結への不満要素を衒学的にスケールでかい話で誤魔化されていて、今回もまんまとそれに引っ掛かってるだけのような気もするw

次号からヨーンにカメラが戻るということで、過去記事を宣伝しつつ、

aqm.hatenablog.jp

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ばいばいきーん。