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#恋文と13歳の女優 1巻 評論(ネタバレ注意)

一色 文(いっしき ふみ)・27歳(♂)は中規模の芸能事務所で経理を担当していたが、人手不足により上司から営業への異動を命じられた。

営業の職務はタレントのマネージャー。

『恋文と13歳の女優』1巻より(じゃが/芳文社)

一色が担当するタレントは、子役でブレイクした後、中学受験期の休業を経て中学生になって芸能活動に復帰した、羽賀あやのだった。

自分のために働き細々と世話を焼いてくれる一色に、あやのはすぐ懐いた、というか、わかりやすく言うとグイグイくる清楚系小悪魔だった…

という、中学生女優とマネージャーの未満恋愛もの、今んとこまだ日常寄り。

作品タイトルにしろ帯のコピーにしろ、ロリコンホイホイですよねw

『恋文と13歳の女優』1巻より(じゃが/芳文社)

近年の漫画において成人男性に歳の差の片想いをするティーンエイジャーのヒロインは、なんらかの形で「父親の不在」を抱えているものと相場が決まっていますが、この作品のヒロインも幼少期に父親を失っています。

まあ現実においても自分が中学の頃とか、20代の男性教師にガチ恋してる女の子とかいましたので。「恋に恋するお年頃」というか。

女子校にそこそこイケメンの大人の男が迎えにきてちょっとドヤってる感じ、可愛いですよね。

『恋文と13歳の女優』1巻より(じゃが/芳文社)

主人公の一色はグイグイくる美少女にドキマギはしつつも、今のところ

「マネージャーとしてこの子に何をしてあげられるか」

と職業意識に誠実で、自制というよりはそもそも恋愛・性愛の対象としてあやのを見ていない感じ。

この辺も漫画においては

「未成年女子に惚れられてグイグイこられる成人男子はヤレヤレ系」

と相場が決まっていて、初期設定にあんま選択肢ないんですよね。「成人女子」なら百合コメ化できるんですけど。

ということで、エピソードを動かす仕事は主にヒロインのあやのに。

『恋文と13歳の女優』1巻より(じゃが/芳文社)

相手が!おっさんでも!太ももの!内側に!指先を!這わすな!合コンで!お持ち帰り狙いの!時の!技を!使うな!

一見「少女のピュアな片想い」風ですけど、天然なのか本能なのか芸能界で培われた生態なのか、所作の端々に男に対する「女の武器」を自分でよく知っている描写がされていて、自分には小悪魔系を通り越して「地雷の一歩手前」ギリギリに見えて、

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可愛いんだけど割りと苦手なタイプです。可愛いし他人事なんで読みますけれどもw

「擬似父娘」要素をはらんだ、女が未成年で男が歳上の歳の差ものは、出口も相場が決まってて、くっついても破局しても叩かれがちで「そして●年後〜」が無難な落とし所、みたいなとこがあるんで、

「無理に決着つけにいって大爆発するぐらいなら、

 いっそ日常ものにしちゃえばいいのに」

と思わなくもないです。

タイトルに「13歳」って入れちゃってるんで、短い作品になるんかな。

『恋文と13歳の女優』1巻より(じゃが/芳文社)

ロリコン文学は本邦においても、ノーベル変態賞の川端康成以来、ある種の伝統芸ではあるんですけど、近年においては性愛面を完全にマスクして「健全化」する、

「成人男性目線の物語において、少女はキュートには描いても、コケティッシュに描いてはならぬ」

が不文律な中、敢えて性愛面を匂わせる作品は「売らんかな」のポリコレチキンレースっぽく見えがち・叩かれがちで、運用がなかなか難しいところ。

実際、作家が時勢に逆張りして「一発逆転」を狙っただけ、初期設定が刺激的なだけでたいして面白くない作品が少なくないジャンルではあります。

「マネージャーと未成年タレント」というモチーフも、折しも故・ジャニー喜多川の未成年タレントに対する生前の性的悪行が墓から掘り起こされて話題になってることもあって、タイミング的には最悪だな、とは思います。炎上したら擁護勢と批判勢のダブスタが複雑骨折してひどいことになりそうw

『恋文と13歳の女優』1巻より(じゃが/芳文社)

と、作中にもメタにも何かと障害が多い作品なだけに、逆にどう乗り越えていくのかちょっと楽しみ。

細けーこと言うと後任なしで経理担当引き抜いたらヤバくないっスかとか、年頃の女の子のマネージャーに若い男当てないでしょとか、この中学校の制服ミニスカすぎねーっスかとかあるんですけど、そういうリアリティよりはジャンル的に

「ヒロインが破壊的に可愛ければ全部チャラ」

みたいなとこはあります。自分も割りと「ただ片想いヒロインが可愛いだけの日常漫画」でも満足しちゃうしなw

一色が過去に芸能人やってたっぽい伏線も、どうカードが切られるのか気になりますよね。

 

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