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#山田くんとLv999の恋をする 2巻 評論(ネタバレ注意)

女子大生の茜(あかね)は、彼氏・たくまの影響でネトゲ(MMO)をやっているが、そのネトゲでその彼氏・たくまが他の女性プレイヤーと浮気をし、浮気が本気になり、フラれた。

ゲーム内のギルドメンバーの山田に世間話で失恋を愚痴ろうとするも、無愛想な山田に「興味はないすね」と冷たくあしらわれ、更なる余計なストレスと山田への八つ当たりヘイトを溜め込む茜。

『山田くんとLv999の恋をする』2巻より(ましろ/KADOKAWA)

が、MMOのオフラインイベント開催でひょんなことから遭遇したリアル山田は、イケメンで、しかしゲーム内と同じく無愛想で空気が読めず、しかし実はMMOは息抜きでやってるだけの本職はプロFPSゲーマーの有名人で、しかも年下の高校生で、しかし恋愛まったく興味ない系の、流川やクラウドやヒイロ並みのコミュ症クール恋愛音痴だった…

という、ネトゲガール・ミーツ・ギルメンボーイな、オタクカルチャーというかネトゲカルチャーをベースに、オンライン(ネトゲ)とオフライン(リアル)が交錯するラブコメ。

『山田くんとLv999の恋をする』2巻より(ましろ/KADOKAWA)

ラブコメというかまあ、展開も描写も絵も少女漫画。

可愛い系の女子大生のお姉さんと、無愛想クールな美少年の、よくできた定番少女漫画の展開と描写。

眼福な美少年・美少女に、ネトゲネタの嬉しいおまけ付きということで、前書きで作者が語るとおり、少女漫画とネトゲの両方が好きなら、ついでに流川やクラウド系の無愛想クール美少年がお好きなら。

ちょうどこの4月からTVアニメやってて、サブスクで自分も観てます。

2巻でTVアニメ6話分、というペース。

1巻ラストのヒキ以来のオフ会で、ギルドメンバーがリアルで集結。

茜が女性だと信じきっていたギルドマスター「瑠璃姫」さんは、ネカマのメガネ系イケメン大学生(だっけ?)・瑛太だった。

しかも瑛太の妹で、山田に懐いてて、人見知りで独占欲が強い厄介女子中学生・瑠奈のコブ付きだった。

『山田くんとLv999の恋をする』2巻より(ましろ/KADOKAWA)

新入り女子の茜に山田と瑛太の関心が向くのを敏感に察した瑠奈は、茜をギルドから追い出そうとある「意地悪」を始める…

という、実質的な新キャラ・瑠奈を中心にしたMMOオタサーの姫絡みのトラブルで雨降って地固まる編。

瑠奈の「意地悪」、刑事事件寸前の割と洒落にならないやつですが、

『山田くんとLv999の恋をする』2巻より(ましろ/KADOKAWA)

「ギルマスの妹」で「中学生の子ども」で、なにより被害者のヒロイン・茜が性善説の超お人好し、の三拍子揃ってギリギリセーフ、ちょっとトラブルメーカーながら「可愛い妹で恋のキューピット」ポジションに。

オタサーの性格ブス古参姫が、自分の地位を脅かす新入りの女の排除に動いて揉めるのはネトゲにも女にも限らず珍しくもないんですけど、子どもなんでまあしょうがない…的に後味悪くせずヒロインの株だけ上がる、上手い(?)落としどころ。

『山田くんとLv999の恋をする』2巻より(ましろ/KADOKAWA)

瑛太さん妹に甘すぎるんじゃないっスか、とは思いますけどw

メタに見ると瑠奈は「ギルドあるあるエピソード」のリアリティために作者に性格ブスの悪役やらされたメタ被害者ポジションなんで、今後に期待ということで。

嫌われキャラに堕ちちゃう危機感があったのか、瑠奈の読者好感度に対する作者のフォローも早かったですね。

ヒロインの茜が、読者が感情移入しやすいように創られた、テキトーに可愛くてテキトーに明るくてテキトーに陽キャな、無個性でプレーンで「普通」なヒロインかな、と思ってたんですけど、敵対してくる性格ブスも赦して味方にしてしまう底抜けのお人好しのミラクル性善説。

『山田くんとLv999の恋をする』2巻より(ましろ/KADOKAWA)

ナウシカみたいな「聖女」ってわけでもないんですけど、『天使なんかじゃない』の翠的というか、「掘り出し物のイケメン」の山田くん以上に、実は茜の方が存在として人間関係の特異点かもしらんね。

 

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