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あ、今日読んだ漫画

#よふかしのうた 16巻 評論(ネタバレ注意)

少年・夜守コウ(14)はふとしたきっかけで「上手くやれていた中学生活」が嫌になり不登校に。ある夜、夜の散歩で街を放浪していると「夜と不眠」に一家言持つ謎の美少女・ナズナに声をかけられ、血を吸われる。彼女は吸血鬼だった。

『よふかしのうた』16巻より(コトヤマ/小学館)

夜に生きる眷属になりたいと願っても吸血鬼化しないコウ。彼女が照れながら語る「吸血鬼になれる条件」は「吸血鬼に恋して血を吸われること」だった。

「だがしかし」作者の吸血鬼ファンタジーな青春ラブコメ。作品全体を通じてアンニュイとそのアンニュイからの解放が夜を舞台に描かれる。

『よふかしのうた』16巻より(コトヤマ/小学館)

一人孤高を保つ吸血鬼・星見キクと、彼女の眷属候補として目をつけられた、コウの幼馴染・マヒル。彼らが行方をくらました先は北海道。

偶然にも中学の修学旅行先が北海道であることが判明したコウは、彼らを追うべく、不登校だった学校に北海道目当てに久しぶりに登校し、そして舞台は北海道へ。

『よふかしのうた』16巻より(コトヤマ/小学館)

吸血鬼・キクの最終目的が徐々に明らかになり、スポットがキクとマヒルのユクスエに。

メタで言えば「マヒルとキク」はそれだけで独立した物語で、その分「コウとナズナの物語」である『よふかしのうた』から少し浮いているんですが、同時に「コウとナズナ」の鏡像・裏面・「あったかもしれない"違う結末"」を示す役割を負っています。

『よふかしのうた』16巻より(コトヤマ/小学館)

コウとキク、探偵さんとキク、ナズナとマヒルの変わった組み合わせの邂逅が起こる今巻。

あとがきで作者が「このエピソード、ちょっと長かった」と書いており、確かに会話劇・禅問答・回想シーンが主で、エンタメとしては少々刺激に欠ける巻。

『よふかしのうた』16巻より(コトヤマ/小学館)

ただ、クライマックスを前にマヒルとキクとコウとナズナと探偵さんの心情を丁寧に描いていて、自分は必要十分な尺と描写・展開だと思って、あまり気になりませんでした。

「ファム・ファタールとの破滅的な駆け落ち」、自分好きなタイプの話ですし、本誌に一周遅れのWEB連載を読んでいるので、次巻で「マヒルとキク」エピソードが完結することを自分は知っていて、

『よふかしのうた』16巻より(コトヤマ/小学館)

★5を付けることも既に決めていますし。

本当は読み切り用の「マヒルとキクの物語」だった『よふかしのうた』を、連載用に「コウとナズナの物語」に変更したんじゃないか、などと益体もないことを妄想したりしています。

 

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