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#メイドインアビス 12巻 評論(ネタバレ注意)

可愛らしいキャラ、メガネ少女のリコとメカ少年のレグが、作者の業を叩きつけたようなエグくてグロい目に遭いながら「アビス」と呼ばれる大地の大穴を潜る冒険もの。

「成れ果て村」編の完結を受けて、リコ、レグ、ナナチにファプタを加えた4人の、この作品にしては比較的平穏な旅路、繋ぎと伏線の巻だった前巻で出会った神秘卿が率いる探窟隊「呪詛船団」とのエピソード。

黎明卿ボンボルドの妨害を力づくで押し通って来たらしき呪詛船団。

『メイドインアビス』12巻より(つくしあきひと/竹書房)

ヤクザの抗争というか、四皇や七武海の縄張り争いというか…

試し、なぜかのお風呂回、自己紹介、一緒に食事、共同戦線、そして第七層突入へ。

バトル展開こそあるものの、前巻に続いてこの作品としては和やかで平和な巻。

にも関わらず、実質新キャラとして人となりが紹介された呪詛船団の面々もこの作品らしくビジュアル・内面ともに業が深い…

『メイドインアビス』12巻より(つくしあきひと/竹書房)

神秘卿その人は明朗・快活で直截的なマッドサイエンティストという感じで、ちょっと『ウマ娘』のアグネスタキオンにタイプが似てますね。喋るとハキハキ明るいけど、好奇心のために頭のネジが何本か欠けてるというか。

前巻で提示された謎・伏線・フレーバー予告のメインは

■枢機の輪
■未知の白笛
■巫女とは?(クラヴァリとテパステの仲間?)
■クラヴァリが隠していたもの「置き土産」とハボルグの顛末
■地上で起こっていること

『メイドインアビス』12巻より(つくしあきひと/竹書房)

サブは

■ライザの鏡文字
■アビスの時間の流れ、「時間も固まりやすい」
■ファプタが見た「重なったもの」
■テパステの回想シーン以降、現在に至る経緯
■既知で未登場の最後の白笛ワクナ(巫女関連?)
■なぜ呪詛船団は「巫女」を敵視しているのか

でしたが、特にこれらが今巻で解明・説明されることはなく、

『メイドインアビス』12巻より(つくしあきひと/竹書房)

今巻で更に

メイン
■巫女の撒き餌
■獣相を秘匿される理由、「探窟史の恥部」
■ハリヨマリ集の謎、巫女の共著者
■ヒトガタの影、少女型
■「君も友達もこうなっちゃう」

サブ
■獣相の本性、神秘卿が隊を獣相で固めた経緯
■神秘卿の持つ遺物と、成し得た禁忌
■神秘卿と黎明卿の対峙はリコたちが通った前か後か
■ニシャゴラの盾の強さの原理
■「何故かみんな同じ名前」

という感じで、

『メイドインアビス』12巻より(つくしあきひと/竹書房)

第七層が作品のクライマックスなのかどうかも未だ不明ですが、憶えておく宿題がまた増えました。

進展という意味では、前巻・今巻のセットで体制と伏線が整って、次巻から「いざ、第七層!」という感じでしょうか。

「リコさん隊(仮)」にもラブリーな正式名称(候補)が付いて良かったね。

『メイドインアビス』12巻より(つくしあきひと/竹書房)

しかし、表面上は平和な巻が2巻続くと、次巻が怖いね…

 

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